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2009.10.20
[イベントレポート]
アジアの風部門『麦田』:10/18(日)Q&A
戦国時代の中国を舞台に、ダイナミックで美しい映像が展開するアクション大作『麦田』。戦地から帰還する男性たちを待っている女性たちの前に、敵である秦の兵士が現れることで巻き起こる騒動が描かれます。

本編上映後、スクリーンにハー・ピン監督が登場。
「これまでの多くの中国映画は、戦争を正面からとらえ、その残酷性を描いています。私は、戦争の時代に生きている人物たちの物語を全面的に出して描きたいと思いました」と監督が語る作品をご覧になった観客のみなさんとQ&Aを行いました。

Q.時代劇でこんなに女性が出てくる映画は珍しいと思います。
撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?

ハー・ピン監督「戦争では、男性が戦に行き、家に残るのは女性、老人、そして子供です。今回の映画でも、趙の国の男たちはみな戦いに出ています。残った女たちは、たとえ戦場で戦火を浴びなくても、留守を任された女性たちは、家や土地を守ることで苦労をする。彼女たちは、戦争が終わって男たちが帰ってくるのを待っている。本当につらいものです。今回の映画では、そんな一生懸命に生きている女性たちへの思いを込めました。

この映画の中では、約400人あまりのエキストラが出演していますが、彼女たちは、地元の農村の人々なのです。彼女たちは、ひとつのシーンを撮り終えると、次の出番までどこかに行ってしまうんです! そして探してみると、どこかで寝ていたりする(笑)。撮影を再開するときには、彼女たちを集めるのが大変でした。ですが、みなさん、とても愛らしくて素朴。とても愉快な撮影を過ごせました。

それに、みなさん、とにかくよく食べるんです! その食欲たるや、我々の2、3人分は食べますね。しっかり食べて、しっかり働くという感じでした」

Q. 私は、20年ほど前に『双旗鎮刀客』を見て以来、ハー・ピン監督のファンです。『双旗鎮刀客』では、黒澤明の『用心棒』や、マカロニウェスタンの合体のようで、すごい映画だなと思いました。この作品でも黒澤のエッセンスを感じて、まるで日本映画の時代劇を観ているような錯覚を覚えました。監督は、黒澤監督をはじめとする日本映画から何か影響は受けてらっしゃるのでしょうか?

ハー・ピン監督「私だけではなく、どんな監督も世界の名作などから様々な影響を受けていると思います。そして、そんな先人たちの経験を知らず知らずのうちに自分の作品に盛り込んでいるかもしれません。それによって、より観客にわかりやすいものを作り上げることができると思います。以前、黒澤監督が、“衣装などは中国の伝統的なものを取り入れている”とお話しされていたと聞きました。東洋に共通する文化は、中国も日本も同じようなものあるのではないでしょうか」

麦田
10/17、オープニングイベントに登壇した際の『麦田』チーム。ファン・ビンビンさんのドレスと髪型が印象的です。



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