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2009.10.25
[イベントレポート]
第22回東京国際映画祭 クロージングセレモニー テキストレポート

三冠を達成した『イースタン・プレイ』カメン・カリフ監督(左)、ステファン・ピリョフプロデューサー


10月25日(日)、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ スクリーン7にて、第22回東京国際映画祭クロージングセレモニーが行われました。

まずは、<日本映画・ある視点>部門 作品賞の発表が、日本映画・ある視点部門審査委員の関口裕子さんから発表されました。

<日本映画・ある視点部門>
「日本映画・ある視点」部門で作品賞を受賞したのは『ライブテープ』(松江哲明監督)。

受賞した松江哲明監督がコメント。

「元日に80分テープで一本で撮りました。
年の始めに集まってくれたスタッフのおかげ。スタッフ・キャストのおかげで広がりのある作品になりました。
最初にTIFFで見つけていただいて大変うれしいです」


続いて、<アジアの風>部門 最優秀アジア映画賞を、アジアの風部門 審査委員上野昂志さんが発表されました。

<アジアの風部門>
「アジアの風」部門では、最優秀アジア映画賞を『旅人』(ウニー・ルコント監督)が受賞。


受賞したウニー・ルコント監督がコメント。

「審査員の方々、そして東京国際映画祭に感謝いたします。少し変な感じもしています。アジアの風部門で賞をいただきましたが、私は今フランス語で話しています。映画というのは、こういった変な機会を作るものかもしれません。スタッフ、キャスト、そしてプロデューサーのイ・チャンドンに感謝いたします」


<TOYOTA Earth Grand Prix>を、TOYOTA Earth Grand Prix 審査委員でもある依田 巽チェアマンから発表。

<TOYOTA Earth Grand Prix>

TOYOTA Earth Grand Prixはnatural TIFF部門にて上映された『WOLF 狼』(ニコラ・ヴァニエ監督)が受賞しました。

会場に来れなかった監督の代理として、フランス大使館・文化部次席参事官フランシス・メジエールさんがトロフィーを受け取りました。トロフィーのプレゼンターは、トヨタ自動車株式会社 常務役員 新井範彦さんです。



ニコラ・ヴァニエ監督からはビデオメッセージが寄せられました。
「大変うれしく光栄に思います。
皆さんに行動を呼びかける前に、映像で呼びかけました。
今回の受賞で、多くの国から注目されるでしょう。
ありがとうございました。」



いよいよ<コンペティション部門>の発表です。まずは、昨日(24日)の観客賞授賞式で発表済みの観客賞から。

観客賞は『少年トロツキー』(ジェイコブ・ティアニー監督)が受賞!

最優秀男優賞をフリスト・フリストフ『イースタン・プレイ』

残念ながら、受賞したフリスト・フリストフさんは撮影直後、お亡くなりになりました。
代わりに、カメン・カレフ監督がコメント。

「今、何を言ったらいいかわかりません。本当に感動しています。ありがとう。フリストのご冥福をお祈りします」

最優秀女優賞をジュリー・ガイエ 『エイト・タイムズ・アップ』

ジュリー・ガイエさん

「ドウモアリガトウ
この賞は映画が成功する道を教えてくれるかもしれません。
ありがとうございました。」


最優秀監督賞をカメン・カレフ『イースタン・プレイ』

受賞したカメン・カレフ監督

「もう1度ここでお礼が言えること嬉しく思います。
この賞を受賞できたことで、ブルガリアの若い監督たちも嬉しく思っていると思います。」

審査員特別賞を『激情』(セバスチャン・コルデロ監督)、

セバスチャン・コルデロ監督

「アリガトウゴザイマス。
特別な瞬間になりました。
東京で上映ができて、皆さまの反応を見れてうれしかったです。
審査員の皆さまありがとうございました。」


それぞれ受賞し、いよいよ「東京 サクラ グランプリ」の発表となりました。

見事「東京 サクラ グランプリ」に輝いたのは、『イースタン・プレイ』(カメン・カレフ監督)。3部門での受賞となった本作。 監督は喜びいっぱいの様子で、受賞の喜びを語りました。


カメン・カレフ監督

「何回もここに登壇して、帰りの飛行機の荷物のチャージ料が高くならないかと心配です(笑)。
ブルガリアにとってとても誇りです。
審査員の方々、私たちの映画を選んでいただき本当にありがとうございます。
そして、東京国際映画祭に感謝します。みなさん、大好きです!」



アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ審査委員長より総評

「依田チェアマン、今回お呼びいただきありがとうございました。この東京国際映画祭で、9年前に賞をいただいてから、人生が変わりました。その賞をくれた日本に帰ってくることができて大変うれしいです。
素晴らしい人々と10日間という短い間でしたが、仕事を一緒にすることができて、とてもうれしかったです。

世界中の様々な地域から作品が集まり、さらにそれがどれも素晴らしい作品ばかりで、審査するのがとても難しかったのですが、満場一致で受賞作品を選ぶことができました。

グランプリとなった『イースタン・プレイ』に印象的なセリフがあります。主演のクリストフがクリニックにいるシーンで、「立ち上がるエネルギーはあるけど、つかまるものが何もないんだ」というシーンですが、これが現在の映画界を表しているようなセリフでとても印象に残りました。

映画祭というのは世界中の様々な努力で作られたたくさんの作品を見ることができる場所です。
現在は興行収入などを重視する流れにありますが、映画祭では社会的な背景を持った作品を多く見ることができました。
今回上映された作品のすべてとはいわなくても、多くの作品に配給会社がついて、日本の皆さんがその作品を見ることができるようになればいいと思います。
今回はありがとうございました」



最後に依田チェアマンが、

「今年もこの東京国際映画祭が盛大なうちに閉幕できることに感謝を申し上げます。昨年からチェアマンを務めておりますが、映画祭を通して、環境、エコロジー、美しい地球を守るというメッセージを届けたいと思い、昨年からグリーンカーペットを実施いたしました。映画祭としましては、カンヌ、ヴェネチア、ベルリンに次ぐ、話題性はもちろんですが、ハイクオリテな作品をお届けしたいと思っております。23回目を迎える来年は、“ホップ・ステップ・ジャンプ”の“ジャンプ”。きちんとした着地点をむかえられますよう、さらなるご協力をいただきたいと思います」と来年への抱負を語りました。



そして、「Action! For Earth」の言葉とともに、両手を掲げたチェアマン。テーマ曲の「ジュピター」が流れ、会場を大きな拍手が包む中、クロージングセレモニーは幕を閉じました。










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