[解説]
2002年に筑摩書房より発行されている吉田篤弘の大人気小説が原作。実力派俳優の八嶋智人×『地下鉄(メトロ)に乗って』『山桜』の篠原哲雄監督の強力タッグによる、大人に向けたノスタルジックファンタジー。
[あらすじ]
懐かしい町「月舟町」の十字路の角にある、ちょっと風変わりな食堂。その食堂にはこれまた風変わりな常連客が毎夜集まっていた――強面の古本屋「デニーロの親方」、イルクーツクに行きたい果物屋の青年、おしゃべりな帽子屋・桜田さん、売れない舞台女優・奈々津さん。いたって普通の「私」は、彼らから“二重空間移動装置”を売りつけられ、“唐辛子千夜一夜奇譚”という本を買い、“宇宙の果て”について考え、“エスプレッソマシーン”について懐かしみつつ、お芝居を書いてほしいと頼まれる。そんな何でもないような、でもちょっとした出来事を積み重ねていくうちに「私」は過去の自分、そして未来の自分と次第に対峙してゆく…。

