[解説]
もとアルコール依存症の画家と彼の反抗期の弟の関係を軸に、不安定な社会下における個人の魂の置き場所を見つめる人間ドラマ。やりきれない閉塞感が自由で若々しい演出によって昇華され、美しい余韻を残す新人監督第1作。
[あらすじ]
音信不通だったふたりの兄弟が再会を果たすが、人種差別をめぐってそれぞれ正反対の立場にあった。最近ネオナチ集団に入ったばかりの弟ゲオルギは暴動に参加、一方兄イツォはトルコ人家族を救出する。その後、大きな集会へ誘われたゲオルギは、活動への関わりに疑問を抱き始める。またイツォは、助けた美しいトルコ人少女が、自分の孤独な人生を終わらせてくれる存在になるのではないかと幻想を抱いている。兄弟としてもう一度やり直すことで、彼らは人生における希望を見出すことになるのだろうか。

