[解説]
14年の歳月を経て追加されたアレキサンドリア・シリーズ最終章。かつてアメリカに憧れたシャヒーンが現在のアメリカに対して抱く複雑な心境を描き出したノスタルジーあふれるラブロマンス。度々挿入されるミュージカル・シーンは圧巻。
[あらすじ]
エジプト人映画監督ヤヒヤは自分がかつてニューヨークで有名だった頃に、初恋の人ジンジャーと付き合っていた。ふたりが初めて出会ったのはまだ19歳の時で、パサディナの学生だった。劇場とアメリカン・ドリームは20世紀の産物であるが、40年後にふたりが再び出会った時には世界はすっかり変わってしまっていて、ヤフヤにとってアメリカン・ドリームはもはやかつてのようなものではなくなっていた。そして彼は、自分が過去にもうけたアメリカ人の息子が、9月11日にワールドトレードセンターで死んでしまったことを知る。にぎやかな叙事詩を通じて、ユーセフ・シャヒーン監督は自らの過去と、彼が愛してやまなかったアメリカとの微妙な関係を浮き彫りにする。

