[解説]
郊外のニュータウン天水圍に暮らす母子と老女の日常を淡々と描く小市民ドラマ。香港映画のイメージを刷新するアン・ホイの円熟が際立つ。
[あらすじ]
香港のみならずアジアを代表する女性監督アン・ホイの2007年製作の映画。香港郊外のニュータウン、天水圍に暮らす未亡人クイと高校生のひとり息子ガーオンの母子家庭のつつましい日常が淡々と描かれる。スーパーマーケットで働くクイは、近所に住む貧しいひとり暮らしの老女リャンフーと出会い仲良くなる。やがてリャンフーと同じスーパーで働き始め、クイは何かと不自由な彼女の生活を気遣うようになる。いつしか彼らは三人家族のようになっていく…。大きな事件は何も起こらず、日常生活のディテールが繰り返し描かれる本作は、従来の香港映画のイメージを刷新するだろう。アン・ホイは2008年度の福岡アジア文化賞(大賞)を受賞している。
協力:アジアフォーカス・福岡国際映画祭、福岡市総合図書館

