[解説]
死刑囚と、その被害者の婚約者だった女のあいだの、互いに決して触れえない、 死刑という期限付きの禁断の恋を哀切な調子と淡々としたリズムで描く、まるで音楽のように織りなされた「究極の純愛映画」。
[あらすじ]
遊ぶ金欲しさに空き巣に入った家で、居合わせたカップルを衝動的に殺害してしまった青年、淳。一審で死刑を宣告された彼は弁護士が提出した控訴を自ら取り下げ、そのまま死刑囚として投獄される。独房の彼のもとに突如、川原薫と名乗る美しい女性が面会に訪れる。薫は淳が殺した男性の婚約者だった。淳が忍び込み殺人を犯したのは、その男性と別の女の逢引の現場だったのである。婚約者を殺した憎むべき男であると共に、婚約者の不実を暴き、裁いた男。薫はなぜか、そんな両義的な存在である淳に惹かれはじめ、淳もまた薫に惹かれてゆく。肌と肌との接触が絶望的に断たれた状況のなか、求めあうふたりは「秘密の通信」を開始するのだった。

