[解説]
親から逃げるように家を飛び出した青年が運転するトラックにはフィルムの映写機が…。奇妙な仲間を連れて、映画の旅が始まる。リリシズムとユーモアを兼ね備え、息を呑むような映像美と映画への愛があふれる成長物語。
[あらすじ]
経営が悪化している父親のヘアオイル・ビジネスから逃れたくてたまらない若きヴィシュヌは、海沿いの美術館を目指し、中古のシボレーでインドの砂漠を横断する。その道中で、若き逃亡者や年老いた放浪芸人、そして美しいジプシーの女性と出会い、水と人目を忍ぶことができる場所を求めて不毛の地をさまよう。しかし一行は悪名高き水の所有者に足を止められ、彼らの自由はトラックの荷台に積まれた妙な映画のコレクションと40歳のふたりの映写技師に委ねられることになる。まるで千一夜物語のように、その映画がおもしろければ生きて進むことができるが、万が一つまらなかった場合には、奥地で死ぬ運命となるのだ。

