[解説]
1948年のイスラエル建国と共にヨルダンに逃れた父。時が流れ、ナザレで父と再会して結婚した母。そして現在のナザレに帰省するスレイマン監督自身。家族の記憶からパレスチナの歴史が浮上する。『D.I.』から7年を経て完成した半自伝的な作品。カンヌ国際映画祭コンペ出品。
[あらすじ]
これはイスラエル建国時から現在に至るまでを描いた半自伝的な作品である。ナザレ降伏前の1948年、パレスチナ抵抗勢力のメンバーであるファードは、家族と共にヨルダンに逃亡するため、愛するトゥラヤーと離れ離れにならなければならなかった。年月が流れ、戒厳令下のナザレ。ファードは故郷と家族との別離を余儀なくされる。そして現代、ファードの息子エリアはナザレに戻り、記憶している故郷の風景が大きく変わってしまった現実を理解しようと苦闘する。
