[解説]
歌手として成功しようとしているが、失恋の痛みを乗り越えられない女性の心理を、アルゼンチンタンゴの切なくも優雅な調べと、繊細な映像美のなかで描いていく人間ドラマ。ロカルノ国際映画祭コンペティション部門出品作。
[あらすじ]
エレナは売り出し中のタンゴ歌手。ブエノスアイレスの権威ある劇場で開かれたオーディションに、バンドを率いて参加する。見事合格したことを機に、彼女のキャリアは軌道に乗り始めるはずだった。しかしある日彼女に悲劇が訪れる、彼女が愛した人はもう彼女を愛することは無くなった。愛のために生き、歌うエレナにとって、これはすべての終わりを意味した。喪失感に打ちひしがれた彼女の傷心は癒えることなく、暗い面持ちになっていく。しかし、もしもう一度歩き出すことができるとしたら? もし悲しみを捨てて新たな国で新しい人生を始めることができるとしたら? 痛みに別れを告げ、少しずつ生きること、愛することを学んでいけるはずなのだ。

