[解説]
心に闇を抱えた小説家志望の中年女性。執筆を通じて、自分に向き合おうとするが…。平凡な夫婦の日常の光景のなかに、彼女が書くショート・ストーリーが効果的に挿入され、やがて鮮やかな感動が訪れる人間ドラマ。
[あらすじ]
ロサリオは物書きをしている主婦。お決まりの人生を歩み、夜になるとわきあがってくる恐怖心のため、心理セラピストのもとに通っている。セラピストは、物書きとしての自己と向き合う問題をロサリオに突きつける。周囲の批判を覚悟の上で、出版社に作品を持ち込むべきだというのだ。ロサリオはその助言に従ったが、次第に恐怖や罪の意識、浮気相手との関係のなかで見出した性表現に対して、数々の疑問がわいてくる。ロサリオの書く物語は、周囲の小さな問題を超え、彼女を取り巻く世界を探りながら、彼女自身の物語も織り込まれていく。

