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2009.10.22
[イベントレポート]
最優秀女優賞候補が登場!コンペティション『ストーリーズ』:10/21(水)Q&A+記者会見

開催5日目、映画祭は早くも折り返しを迎えましたが、コンペティションでは粒ぞろいの作品が連日上映。ブログやSNSなどでは、映画ファンの口コミがますますの広がりを見せています。

21日(水)に上映された1本は、スペインのマリオ・イグレシアス監督作『ストーリーズ』。心に闇を抱えた小説家志望の中年女性を主人公に、彼女が創作した(という設定の)5つの物語が1つの大きな物語の中に短編として効果的に挿入されるという、凝った構成が魅力的な作品です。上映終了後には、イグレシアス監督と主演女優のコンセプシオン・ゴンサレスさんがQ&Aに登場。熱心な観客からの質問に答えました。

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深い心理描写とリアルな事象を綴っていくという作風から、「これは実話が基になっているのか?」という質問が飛びましたが、イグレシアス監督は「すべて創作です」と回答。「ただし、フィクションを創る際にベースになっているのは(自分が生きてきた)現実ですから、その意味では実話が基になっていると言えるかもしれません。私自身が絵を描きますので、特に最後の肖像画を描くシーンは、現実とオーバーラップしていると言えます」と語りました。

また、「私は、最高のウソは真実だと思っています。カメラら舞台装置をリアルに作り込んでいけばいくほど、素晴らしいフィクションにつながると思いますし、自分がホラー映画を撮るとすれば、ずっと現実の人の姿を撮ると思います。現実こそが、本当の“恐怖”だと感じていますから」と、自身の映画哲学について披露。“映画監督を目指している”という男性からのアドバイスを乞う問いかけには、「(テクノロジーの発達で)技術的には、お金はなくてもやっていけます。映画監督として学ぶべきこともそんなにない。とにかく待たないでください、どんどん映画で語ることをしていってほしい」と答えました。



その後TIFFムービーカフェで行われた記者会見でも、イグレシアス監督の作風について質問が寄せられたほか、実際に心理療法士としても働いているゴンサレスさんと監督とのコラボレーションについての言及も。「自分が男性ということで、女優が(女性を)表現できるスペースを脚本にたくさん作っておいた」(イグレシアス監督)、「監督とは脚本の段階から随分と話をして、自分の経験から『ここはこうした方がいいんじゃないか?』等と話し合いました。ですから、(心理療法士としての)そういった視点は、しっかりと作品に反映されていると思います」(ゴンサレスさん)と、監督と主演女優の良好な関係がうかがえました。ちなみにお2人は、路上演劇からスタートして、7年間一緒に作品を創り続けられているとのこと。ゴンサレスさんは、イグレシアス監督の短編で映画デビューを果たし、今回が長編第1作になるということでした。

サインのリクエストコンセプシオンさん。関係者との交流の際はエチケットをお忘れなく


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