2009.10.24[イベントレポート]
【動画レポート】監督はいまどき!?流暢な日本語で挨拶!『ヤンヤン』:10/24(土)Q&A
→作品詳細
2009.10.24[イベントレポート]
【動画レポート】日本映画・ある視点部門『TOCHKA』舞台挨拶: 10/19(月)
松村浩行監督いわく「小さな手仕事的につくられた」この作品。そんな監督の“お仕事”ぶりを、出演者の藤田陽子さんと菅田 俊さんにお話しいただきました。
→作品詳細
2009.10.24[イベントレポート]
【動画レポート】日本映画・ある視点部門『つむじ風食堂の夜』舞台挨拶: 10/21(水)
ご挨拶いただいたのは、篠原哲雄監督と主演の八嶋智人さん、月船さららさん。八嶋さんの軽妙なトークをお楽しみください。
→作品詳細
2009.10.24[イベントレポート]
【動画レポート】「一番喜んでいるのは天国の父!」 『ジャングルハウス3ガス 林家三平』舞台挨拶:10/23(金)
23日(金)に行われた舞台挨拶に、水谷俊之監督、三平師匠の夫人である海老名香葉子さん、二代林家三平さん、泰葉さんが登壇。みなさん、天国の三平師匠への思いを込めながらご挨拶をされました。
→作品詳細
2009.10.24[イベントレポート]
泰葉も質問! 日本映画・ある視点『ジャングルハウス3ガス 林家三平』:10/23(金)Q&A
――タイトルを「ジャングルハウス3ガス」にした理由は?
監督「一番カッコイイと思ったから! ほかにも“ザ・三平”とかいろんな付け方はあるんでしょうけど。三平師匠を象徴するネタでもあるから、タイトルにはやっぱりこれが一番いいかなと思いました」
――監督自身は、三平さんに対してどういう気持ちでこの映画を作られたんですか?
監督「伊東四朗さんにお話を伺う機会があったんですが、“三平師匠は決して素顔を見せない人でした”とおっしゃっていて、それがとても印象に残りました。三平師匠は、どこにいても、林家三平という芸人としての顔を貫いた方。本当の素顔を見せたのは、ご家族と、アコーディオン弾きの小倉義雄さんだけだったんじゃないかと思いました。今回は、家族ドラマとしてではなく、林家三平という芸人としての生涯を描きたかった。でも出来上がって見てみると、やっぱり家族のドラマになっているんだなぁ、と感じました。この映画は、いわば主観的なドキュメンタリー映画だと思っていまして、あえて“私”という亡き天国の三平師匠が語っているという形で、風間杜夫さんにお願いしました。
僕が知ってるのは、全盛期の三平師匠。その頃はまだ僕も3、4歳で、タレントとしての印象や、二木の菓子のCMの記憶しかありません。大人になってから、この仕事のためにいろいろ素材を見せていただきビックリしました。そのマシンガントークというか、ギャグをものすごい勢いで繰り出すスピーディーさ。それはたぶん今のお笑いの原点になっているんじゃないかと思います。もっと驚いたのは、芸人としての芸を追及していった挙句、たどり着いていくあの高座ですね」
そして、会場から「ハイ!」と元気よく手をあげたのは、三平さんの実娘である泰葉さん。
泰葉さん「監督、この部門で作品賞を受賞したら100万円いただけると聞きましたが、受賞できたら何に使いますか?」
監督「林家三平賞を創設して、それの資金にあてようかと思います」
泰葉さん「三平賞って、それ私の提案ですよね? 実は、父のような芸人さんを輩出するコンテストを開いて、そういう賞を設けたいと思っていました。この場を借りて創設させていただきたいと思います。三平賞の審査委員長には、是非、水谷監督お願いします!」
監督「いや、僕は審査委員の1人でかまいません」
泰葉さん「そうですか。では皆さん、今誕生したばかりで、今後どういった形にできるかわかりませんが、三平賞どうぞよろしくお願いします」
客席から拍手が起こり、泰葉さんは「やったー!」と素敵な笑顔を見せてくれました。
「最後に、天国に三平師匠に呼びかけをしたい」という監督の提案に、二代林家三平さんが前へ。「やめろといわれても…」という呼びかけに、「三平!」と観客の皆さんが声を合わせて、和やかな雰囲気の中でQ&Aは終わりました。
2009.10.24[イベントレポート]
【動画レポート】角川映画の興奮ふたたび! 特別招待作品『笑う警官』舞台挨拶: 10/23(金)
ご挨拶いただいたのは、自ら「子供のときから角川映画を観て育った世代」とおっしゃられる主演の大森南朋さんをはじめ、松雪泰子さん、宮迫博之さん、大友康平さん、忍成修吾さん、野村祐人さん、伊藤明賢さんの豪華出演者陣と、原作者の佐々木 譲さん、そして製作・監督・脚本の3役を務められた角川春樹さんです。
→作品詳細
2009.10.24[イベントレポート]
【動画レポート】主演女優も魅了する、犬童映画最新作が登場!! 特別招待作品『ゼロの焦点』舞台挨拶: 10/22(木)
「いち観客として、作品に魅了されてしまった」と語られる広末涼子さんと黒田福美さん、「とにかく、いい!」と野間口 徹さん、「犬童さんは、女性の目線を持っている稀有な監督」と中谷美紀さん。そして、監督・脚本の犬童一心さんは「日本人の観客のために、がんばって映画をつくっていきます」と、力強く発言されています。
→作品詳細
2009.10.24[イベントレポート]
チャーミングな大人たちを描いた『サイドウェイズ』舞台挨拶で起こったサプライズ!:10/22(木)
特別招待作品として上映されたこの作品のチケットは販売当日に完売!
見事チケットをゲットした幸運な方々の前に主演の小日向文世さんと菊地凛子さんが舞台挨拶に登場されました!
小日向さんはご挨拶の後、「ちょうと1年前の今頃、ナパで1ヶ月撮影しました。周りのスタッフが全員外国の方で、とにかく日本に帰りたくて…。『あと1週間で帰れる』とか数えてましたから。でも、あまり帰りたいと思うとパニックになるので、それをちょっと置いといて。だから、4人でわいわい芝居して、日常との向こうにいる時間が唯一ほっとしている時間でした。」とナパでホームシックになった事を告白。
MCのひとりフジテレビの笠井アナから「東京国際映画祭に参加した感想は?」と聞かれると「正直、国際映画祭ということがあまりピンと来ておらず…。通訳の方がいらっしゃるので、『あぁ本当に国際映画祭なんだなと』思ってちょっとドキドキしています(笑)。」と少し緊張のご様子。
一方、国際派女優の菊地さんは「(経験があるので)あまり気負うことなく来られたのではないですか?」と問われると「東京国際映画祭で出演作が上映されるのは初めてだし、グリーンカーペットも初めての経験で…。とても大きな国際映画祭なんだなということが来てみて初めてわかりました。」とコメント。
小日向さんに“みちお”を演じてみての感想を尋ねると「最初は共感できなくて、何かウジウジして嫌いだったんですよ。ただ、演じていくうちに、彼は彼なりに一生懸命生きてるのがだんだん愛おしくなってきたというか、後押ししたくなって。そんなハッピーな人ばかりでもない思うし、こういう人が1週間の旅行をしたことによって、何かひとつ新しく『えいっ!』と踏み出すことができたっていうのは、とってもいいことだな、と。だから、中年になっても、夢を捨てずに恋愛も思いっきりしてもいいな、って思いました。」と役柄を振り返ってメッセージ。
さらに、監督についての感想を問われて、小日向さんが「僕らには日本語でとても優しかったんですけど、結構英語でスタッフと怒鳴りあいしてるんですよ。何しゃべってるか僕は分からないんだけど、かなり辛辣なことを言っているんじゃないかな、と。女性に対しても結構バーッと言っているから、そのへんはちょっとどうなんだろう、っていうね。ちょっと凍りつくようなぐらい。」と暴露し始めると、続けて菊地さんも「映画のセットのときは監督らしいんですけど、セットから離れると、ちょっといいかげんな人になるというか。で、そんないいかげんな人に私は『いいかげんだ』と言われて、私も何か『えーっ!』みたいな(笑)。」と話はエスカレート!
すると・・・、会場から大きな「What are you talking about? What's wrong with you?」と叫び声と共に、二人に近づいてくる影が!!
小日向さん「こんなサプライズ知らないですよ。来ないと思ってたもん。」
菊池さん「いいかげんだから、来ないかな~、と(笑)。」
そんなふたりの突っ込みも、会場のざわめきも厭わない監督は、「みなさま夜遅くわざわざ来ていただいてありがとうございます!映画のことを気に入って頂けたなら、お友達、ご家族みなさまに伝えて頂き、特に最初の2・3日、映画を見に来ていただければ、嬉しゅうございますのでよろしくお願いします。」なんとも流暢な日本語でご挨拶をされました!
人生のターニング・ポイントで一生懸命生きる大人たちの姿をチャーミングに、軽やかに描いた『サイドウェイズ』は10月31日(土)全国ロードショーです。
2009.10.24[イベントレポート]
【動画レポート】小日向さん、菊地さんもびっくりのサプライズも! 特別招待作品『サイドウェイズ』舞台挨拶:10/22(木)
特別招待作品『サイドウェイズ』の舞台挨拶を動画でお届けします。
第77回アカデミー賞最優秀脚色賞を受賞した『サイドウェイ』をオリジナルに、主要キャラクターを日本人に変更して再構築した同作品。舞台挨拶には小日向文世さんと菊地凛子さんが登場しましたが、実はお2人も知らなかったサプライズが…。
→作品詳細
2009.10.24[イベントレポート]
【動画レポート】コンペティション部門『NYスタテンアイランド物語』公開記者会見:10/23(金)
自身もスタテンアイランド出身であるジェームズ・デモナコ監督。「自伝的」でもあると話す本作では、監督がスタテンアイランドで暮らす上で感じていたさまざまなことを、3人の「ダメ男」によって表現したのだとか。また、監督はスタテンアイランド内に多い「ある地名」について長年疑問に感じていたようで、ロケに際しリサーチしたところ、意外なことが判明したようです…。
詳しくは動画でご確認ください。
→作品詳細
2009.10.24[イベントレポート]
【動画レポート】アジアの風部門『青い館』:10/18(日)Q&A
前作『フォーエバー・フィーバー』(98)以来、約10年ぶりの新作となった監督と映画初出演のエマ・ヤングさん。終始笑顔でのご挨拶となりました。
→作品詳細
2009.10.24[イベントレポート]
【動画レポート】『バトル・イン・ヘブン』:10/23(金)Q&A
国際弁護士からどのようにして独自で映画を学んだのか、構想の練り方、作品内容の捉え方など、“作家映画の旗手”として全世界の注目を集める監督にさまざまな質問が投げかけられました。
→作品詳細
2009.10.24[イベントレポート]
アジアの風『RAIN DOGS』:10/23(金)Q&A
まず、ヤスミン監督を出演者として演出された際のエピソードについては、
「撮影では、僕が“とても良い出来だ!”と思っても、彼女は“あ~、気に入らないわ。私全然きれいじゃないわ”と言われたりしました(笑)。ヤスミンさんはもともと僕の友人なので、撮影は非常にやりやすかったです。彼女からは、“今回はあなたが監督なんだから任せます”と言われましたが、役柄に関してはいろいろ相談しました。彼女の演じた女性が、どこ系の人かという人種的なことはあえてハッキリさせませんでした。それは映画を見た方がいろいろ判断してくださればいいこと。ヤスミンさんもとても気に入っていました」と、当時のヤスミンさんとの現場でのやり取りを語りました。
「『RAIN DOGS』というタイトルですが、太陽雨というサブタイトルもついています。マレーシアで特別な解釈があるのですか?」と問われると、
「熱帯というのは、とても太陽が強くて暑いですよね。だけど、急に雨が降ると空気が重くなって、フーッと体が冷えてしまって、それで風邪をひいてしまうこともある。その雰囲気が好きなんです。この映画のタイトルについては、そういう意味合いがあります」とコメント。
同じアジアの風部門で上映されたホー・ユーハン監督作品『心の魔』をご覧になった観客の方から、「ホー監督は、犯罪モノがお好きなんですか?」という質問が。するとホー監督は、「犯罪ジャンルはすごく好きですし、『心の魔』には暴力的な描写が出てきますけど、僕自身は全く暴力的な人間ではありません。犯罪モノに惹かれるというよりは、犯罪によって、身体的や精神的に受けるダメージに興味を持っているんです」と話してくれました。
今後、日本との合作映画の企画について話が及ぶと、「パリにいる日本人のプロデューサーと、“日本を舞台にやってみようか”という話にはなっています。ある女性が犯罪に巻き込まれる、というシンプルなフィルムノワールを撮ってみたいなと思っています。撮影場所としては、東京は皆さん見飽きているかもしれませんので、広島や横浜、どこか深作欣二監督が撮ったような場所もいいですね。京都は高いかなぁ(笑)?」と、具体的なロケ地を探している様子。ホー監督の日本を舞台にした新作に期待が高まります。
2009.10.24[イベントレポート]
華人明星百花繚乱! ~グリーンカーペットの中国語圏スターたち~
まずは、中国のスーパーアイドル女優=ヴィッキー・チャオ(趙薇)さん。 超大ヒットドラマ『還珠格格』から早11年、既に完璧なレディです。
大スターのオーラ満点、チェン・クン(陳坤)さん。中国美形男優の中でも群を抜いた端正な顔立ちは、インド系のハーフならでは。
中国を代表する美人女優といえばこの人。『墨攻』や『新宿インシデント』でもおなじみ、二大“ビンビン”のひとり、ファン・ビンビン(范冰冰)さん。
現在製作中の大作『花木蘭~ムーラン』(ディズニーの長編アニメ『ムーラン』と同題材の、実写映画です)チーム。左から、ジングル・マー(馬楚成)監督、「ジャッキー・チェンの実子」という肩書きはもう不要でしょう!ジェイシー・チャン(房祖名)さん、そして主人公の花木蘭を演じるヴィッキー・チャオ(趙薇)さん。
アジアの風部門『麦田』の皆さん。左から、ホアン・ジュエ(黄覚)さん、ワン・ジャジャ(王嘉佳)さん、ファン・ビンビン(范冰冰)さん、ハー・ピン(何平)監督。 ファン・ビンビンさんの“中国モード”に釘付けです。
“2009 東京・中国映画週間”ゲストの皆さん。左から、「天は二物を与えた?!」人気女優にしてミュージシャンのジュ・ウェンペイ(居文沛)さん、『ジャッキー・チェンを探して』のジャン・ピン(江平)監督、日本でも大人気の美形男優のルー・イー(陸毅)さん。
コンペティション部門『台北に舞う雪』からは、3人のイケメン台湾人俳優と、中国の新進美人女優が登場! まずは、日本でもすっかりおなじみのチェン・ボーリン(陳柏林)さん。
実家は、ファンの集う台北のしゃぶしゃぶ屋“元鍋”。台流アイドルから実力派へ! トニー・ヤン(楊祐寧)さん。
舞台で鍛えた役者魂!! 若手演技派のトップ・ランナー=モー・ズーイー(莫子儀)さん。
次世代の中国映画女優は彼女で決まり? “小章子怡”トン・ヤオ(童瑶)さん。
そして最後に、グリーンカーペットではないのですが、あまりにも素敵な写真だったのでご紹介。アジアの風部門『愛してる、成都』のフルーツ・チャン(陳果)監督が映画祭事務局に!!!
来年も、中国語圏からのゲストの皆様の参加をお待ちいたしております。再見!&明年見!!
2009.10.24[イベントレポート]
【動画レポート】J-WAVE SPECIAL 「TIFF Earth Conference supported by TOYOTA」:10/23(金)
トークショーでは、「ソトコト」編集長の小黒一三さんと、女優・NPO法人 アクアプラネット理事長の田中律子さんが、海や自然を守るために、一日ひとつでも日々の些細なことから環境に対するアクションを起こそうと、メッセージを投げかけられました。
グリーンカーペットクラブ
J-WAVE SPECIAL 「TIFF Earth Conference supported by TOYOTA」:10/23(金)@TIFFpark
2009.10.24[イベントレポート]
第22回東京国際映画祭 コンペティション部門観客賞は『少年トロツキー』に!!!
この作品は、自らを20世紀初頭のソ連の因習打破主義者で赤軍のヒーロー、レオン・トロツキーの生まれ変わりだと信じる少年が、自分の通う高校に改革をもたらそうとする騒動を描く痛快青春コメディ。
上映後の場内を熱狂に包んだ、素晴らしく元気の出るこの作品が見事、観客賞を手にしました。
10月24日(土)、TIFFparkにて授賞式が行われ、監督のジェイコブ・ティアニーさん、プロデューサーのケヴィン・ティアニーさんが登壇しました。
今回の授賞式は「みなと上映会」に前後をはさまれての開催、会場は家族連れの皆さんで埋まり、とてもアットホームな雰囲気な中で行われました。
港区長武井雅昭さん、みなと委員会委員長原 保さん、副委員長須永達雄さん、副委員長後藤 譲さん、Kiss port財団事務局長由井敏参さんが登壇、武井雅昭港区長から、みなと委員会委員長原 保さんからご挨拶をいただきました。
続いて、港区長から受賞作品が発表され、賞状とトロフィー、賞金が受賞者のジェイコブ・ティアニー監督に手渡されました。
恒例となったはっぴも贈呈され、はっぴを羽織ったジェイコブさんは少し照れくさそうでした。
受賞スピーチ
ジェイコブ・ティアニー監督:
「(日本語で)ドウモ アリガトウ。
一般の観客の皆さまが私の作品を選んでくださったことを本当にうれしく思います。
このような賞をいただけて、大変光栄です。
これ以上うれしいことはありません。身の引き締まる思いです。映画祭関係者の皆さん、特にボランティアでがんばってくれている皆さん、
東京国際映画祭に参加している全てのフィルムメーカーを代表して、皆さんの親切で温かい協力に本当にありがとうと言いたいです。
うれしいです!感謝します!!」
ケヴィン・ティアニー プロデューサー
「ジェイコブがわたしの言いたいことのすべてを言ってくれました。関係者の皆さん、ありがとうございます。
(会場を埋めた観客に)ご家族でお越しの方、私は監督であるジェイコブの父でもあります。皆さんが家族と過ごす時間を大切にしているお気持ちは非常によくわかります。このような場所で、賞を受け取ることができて、父親としても光栄です。観客賞受賞は二重の喜びです。
(日本語で)アリガトウ」
2009.10.24[イベントレポート]
河瀬監督の演出は「人生そのもの!」 アジアの風部門『デジタル三人三色2009:ある訪問』Q&A:10/22(木)
左から、河瀬監督と中村優子さん
この作品は全州国際映画祭が毎年製作しているデジタルプロジェクトの最新版で、河瀬監督の作品『狛 KOMA』は昨年の11月に奈良県にある桜井市・狛で撮影。
主演の中村優子さんはこの場所を「ピーンと張り詰めるような澄み渡った感じがする町」という印象を受けたとか。
そして続けて中村さんは「撮影中、そこに生きる主人公・はつこの人生を演じながら、やっぱりいつの時代でも人は知りたい、生きたいと思う、本当にシンプルにそう願い、そしてはつこも私自身も本当に独りなんだなあということを感じました。」と作品への思いを話されました。
河瀬監督の脚本は「余白」が多くあり、中村さんはじめキャストの方はほぼ即興で、大きく軸がずれそうになった時にだけ監督が小さな「愛情のメモ」をそっと渡す、という撮影スタイルだったそうで、俳優にとってはそれを理解し解釈するのが大変でもあり、醍醐味でもあったとか。
中村さんはその撮影現場を思い出し「直美さんの撮影は、本当に何が起こるかわからない。人生そのものです。まぁ怖い。」と本音をポロリ。
また、この『デジタル三人三色2009:ある訪問』にまつわるエピソードとして、製作の際、決め事として尺数だけが決まっており、テーマや設定はフリーだったにもかかわらず、ほかの2作品(ホン・サンス監督の『深い山奥』、ラヴ・ディアス監督の『蝶は記憶を持たない』)も『狛 KOMA』と同様、“訪問”をテーマにした物語となったそうです。
さらに、狛という地域の意味を調べると「高句麗」、つまり、韓国の大陸の方の地名が付いていたり、撮影をした村の家に実際にあった掛け軸に描かれている人物が韓国の王様だったり、不思議な出来事がよく起こる現場だったとか!
現在、河瀬監督は「奈良国際映画祭」のエグゼクティブ・プロデューサーを務められており、栄えある第1回目を2010年8月に開催予定!
「故郷やそこにある自然を思う気持ち」を軸に、映画だけでなく音楽やファッションなどと融合したイベントを予定されているそうです!
2009.10.24[イベントレポート]
コジャレた勘違いもポジティブに!コンペティション部門『見まちがう人たち』Q&A+記者会見:10/20(火)
同作は、監督の出身地でもあるチリの地方都市バルディヴィアを舞台に、ある手術によって盲目から回復したあとに大企業の宣伝に利用されるスキーヤーを中心として、ショッピングモールの監視員、盗癖のある人妻、リストラされるエンジニア、豊胸手術を夢みる女性などの人生が交差する、ユーモアと皮肉が効いた群像劇。作品の表面ではなく、もっと奥深いところに真のテーマが秘められている作品と皆さん受け取ったようで、質問もこの部分に集中しました。
作品を作った経緯についてヒメネス監督は、「5年前に、テレビプロデューサーを務めて4年間住んでいたイギリスからチリに戻りました。その際に、とても国がモダンに変わっていたんですね。でも、その変化は私にとっては少し不自然な方向に見えました。昔ながらの街並みに、突然映画の舞台にもなっているショッピングセンターが現れて、そのガラスの表面に街が反射して映っているんです。そのときですね、アイディアが生まれたのは」と語り、テーマについて「重要なのは、みんなが持つ勘違いや幻想といったものをポジティブに捉えること。新しいテクノロジーがもたらす変化を批判的に捉えるのではなく、一歩踏み込んで、それをコメディに、そしてさらに美しいものに昇華できればと考えています」と続けました。
その後、TIFFムービーカフェでも、お2人による記者会見が開催。劇中のイメージと違い、髪の毛をばっさり切った姿のパオラさんには、監督とのコラボレーションについての質問が寄せられ、「私は舞台中心の女優で、映画はこの作品が初めて。監督は常に側にいてくれて、的確な演技指導を行ってくれた」と語りました。また、「チリでは北部と南部で気質がかなり違う」とのことで、「私は北の出身で、監督は南部。北では体型を気にしたり、気後れするということはまずありません。話し方や性格、歩き方まで、指示をもらった」と撮影時の裏話を明かしてくれました。
また、劇中で何度も登場する「ビダスール社」は、架空の企業にも関わらず、エンドクレジットの一部にもそのロゴが登場。その点について指摘した質問が飛ぶと、「あれはジョークです」と明かし、原題でもある「Optical Illusions」=幻視(まぼろし、見まちがい)が、実際にも試されていることが分かりました。
「映画製作が活発になってきてはいるが、“映画産業”があるとはまだ言えない」と監督が語るチリですが、ヒメネス監督が優秀なフィルムメイカーであるのは間違いない真実。「次回プロジェクトのために小津(安二郎)の作品を観ている」という監督から、今後も目が離せません。
→作品詳細
2009.10.24[イベントレポート]
満員御礼!で熱気満点 アジアの風部門『キングコングを持ち上げる』:10/21(水)Q&A
いわゆるアイドルとは一線を画す、演技派俳優のイ・ボムスさんではありますが、ついさっきまでスクリーンの中でみていた映画スターの登場に、場内の気温は2~3度上昇したのでは? という大歓迎ムードでイベントは進行。
まずは、観客の皆様へのごあいさつということで、黒いシックなスーツにメガネという、クールなスタイルのイ・ボムスさんが、丁寧な口調で映画祭に参加した喜びを語られた後、マイクをとられたギルロー・ハンさんは「私は今回、はじめて日本に来ました」。日本人は優しく、温かく、信頼ができると、大変なおほめのお言葉の数々に、一日本人としては恐縮することしきりです。最後に、パク・ゴニョン監督は英語で(!)ごあいさつをされた後、日本語で「ホントにありがとうございます」と、サプライズの連発で会場を沸かされていました。
Q&A最初の質問は、男性のお客様からの「劇中で何度もとりあげられている、ヤン・ヒウンという女性歌手」について。
パク・ゴニョン監督のお答えは「彼女は“韓国のボブ・ディラン”とも称される有名な歌手なのですが、イ・ボムスさんが演じた“イ・ジボン”役のモデルとなった先生が、じつはヤン・ヒウンさんのファンだったので、このエピソードをとり入れることにしました」というもの。
また、同じ男性からの「重量挙げ部の生徒のひとりが、ポソン女子中学から中央高校へ移籍するというシチュエーションがありましたが、このニュアンスがよくわからなかったのですが・・・」というふたつめの質問には、監督は「中学を卒業して、高校に入学しても、引き続きイ・ジボン先生のもとでトレーニングを積んでいた生徒がいたんですが、彼女が実力をつけていくに従って、本来の所属である高校の重量挙げ部で活動していこうと、そういうことを表現したのです」と答えられていました。
次の質問は「なぜ、主役にイ・ボムスさんを起用したのですか?」というもの。
監督のお答え「彼は演技も上手いし、とてもステキな俳優だからです」には、満場一致で納得といったところでしょう。
ここで司会から「題名の“キングコング”というフレーズは、イ・ボムスさんの起用が決まってから、彼をイメージしてつけたのですか?」という質問がはさまれたのですが、これはオリジナル脚本の執筆時からつけられていたものだそうです。
お客様からの3つ目の質問は、「韓国のポソンが舞台となっていますが、実際の撮影もポソンで行われたのでしょうか?」。
こちらにはギルロー・ハンさんが、「ロケの80%程度は、ポソン郡で行っています。ロケ地を選定する際に、監督のイメージをもとに画コンテを起していったのですが、その風景のほとんどがポソンに残っていたのです。ポソンの皆さんは大変に協力的で、パレードのシーンをはじめとする多くのシーンで出演していただいています」とコメントを。
次の質問は女性のお客様から。まず最初に、本作の演技で韓国映画評論家協会賞・主演男優賞を受賞したイ・ボムスさんに祝福の言葉を述べられた後、選手時代の重量挙げのシーンや、アクション映画への出演などで腰を痛めたといわれるイ・ボムスさんに、体調についての質問を。
マイクを手にしたイ・ボムスさんは、「重量挙げは、一見、簡単そうにみえますが、実際はトレーニングを積んで、正しい姿勢をとらなければなりません。俳優は“そうみえる”ためには努力を惜しみませんし、その結果、ケガをしてしまったとしても、それは仕方のないことでしょう。この感覚は、韓国だけではなく、日本も欧米も同じだと思いますよ」とのご回答。ちなみに、重量挙げのトレーニングで気をつけなければならないのは「腰のケアはもちろんですけど、
ウェイトを持ち上げる時にバーが鎖骨にぶつかるんですね。これがとても痛いです。次に、腕をまっすぐ伸ばす時に、バーがよくアゴにあたって舌を噛んでしまうんですが、これもとても痛いです(笑)」なのだそうです。
また、同じ女性からの「明日、明後日のご予定は?」の質問には、「ずっと取材です」と、笑って答えていらっしゃいました。
続いての質問は、「『キングコングを持ち上げる』は、今秋の韓国映画の大ヒット作『国家代表』と共通項が多く、興味深く拝見しました」という男性のお客様から。6人の女優についてのその問いに、パク・ゴニョン監督は「彼女たちのうちひとりはキャリアも豊富なプロの女優ですが、その他の5人は全員新人です。キャスティングは、役に対する理解と情熱を考慮して決定しました」「イ・ボムスさんは、劇中では彼女たちの重量挙げのコーチでしたが、カメラがまわっていない時は、若手女優を育て上げる演技の先生として力を貸してくださったのです」と、ちょっといい話を披露。
この後も、イ・ボムスさんが『シコふんじゃった。』や『ウォーターボーイズ』が好きなことや、パク・ゴニョン監督が小津安二郎監督、周防正行監督、矢口史靖監督のファンであること、ギルロー・ハンさんが『デスノート』の前編に出演していた女優(香椎由宇さん? 瀬戸朝香さん?)と一緒に仕事をしたいと思っていることなど、日本映画に関する話題もとび出したのですが、残念ながらタイムアップ。
このレポートの最後は、イ・ボムスさんの素敵なコメントで締めることにしましょう。
「私は、国際映画祭のこのような場は、本当に大切なものだと思います。『相棒~シティ・オブ・バイオレンス~』でヴェネチア国際映画祭に参加した時もそう感じたのですが、私たちの映画を、いままさにご覧いただいた観客の皆様と、同じ空間、同じ時間を過ごすことができるのは、なんて素晴らしいことでしょうか。本日は、どうもありがとうございました」
2009.10.24[イベントレポート]
一発勝負ゲリラ撮影! 日本映画・ある視点部門『ライブテープ』:10月22日(木)Q&A
松江監督「企画を思いついたのは、昨年の12月の1週目だったんです。作品の中でも話していますが、ちょうどその当時って、父が亡くなり、まわりの人が亡くなっていく恐怖を抑え切れなかった時期でした。お酒を飲んでは、酔っ払って人に迷惑をかけていました。そんなとき、吉祥寺の町を歩いているときに、前野さんの歌を聞きたい、という気持ちが高まったんです。
元日を選んだのは、1年の中で、人手が一番少ないだろうというと予測したからです。でも実際撮影するときには、僕の予想以上の賑わいで、そこは誤算でしたね(笑)」
――1カット1シーンでの撮影について
松江監督「実は僕は3回くらい撮って、その中からベストテイクを使おうと思っていたんですが、1発で行こうと決めたのは、カメラマンの近藤くんの言葉です。“60分も回ったら、どんなトラブルがあったとしても、それはNGになりません。そこまで回ったらOKになるはずですよ”と言われたんです。
でも井の頭公園のあのステージって、絶対勝手に音出しちゃいけないんです。申請を出そうと思いましたが、すぐに許可が下りるはずがない。撮影当日の午前中に1回音を出して、時間を計ってみたんです、何分で警備員がくるかって(笑)。そしたら最初に音出して、9分、いやもっと短かったかも。すぐに警備員がきて、アンプもつないじゃだめだし、絶対やっちゃだめって言うんです。でも、僕らは絶対やりたかった。結局、最終的な確認がとれないまま、僕らが八幡神社をスタートしようとしたら、警察官が3人きたんです。“コレはヤバイ!”って思いました。前野さんにとっても直前でしたよね?」
前野さん「そうですね。信号の向こうから、監督がもんのすごい顔して、“中止!バラします”って。監督のうしろには警察官が3人ぐらいいて、もうダメなのかなと思いました(笑)」
松江監督「でももうやりましょう、と。長澤つぐみさんがぴったり3時に参拝できるように、スタッフも2時間ぐらいずっと並んでてくれてて、これを逃したらもうできないと思いました。井の頭公園ではスタッフの1人が、“死んだ友達のためにどうしても1曲やりたいんだ”って嘘を言ってくれて、警備員の方が“じゃあ、1曲だけ”って。僕はそれ、全部撮影後に聞いたんですけど。井の頭公園に着いたら警備員の方がいたので、“撮影終わったら武蔵野警察署だな”と思いました」
前野さん「ほかにも、警官がいたせいで、もともと決めていたルートが通れないとかいろいろありましたね」
松江監督「僕は現場で高揚しましたね! もともと決めてたルートも外れて、キャメラの動きも変わったけど、段取りが崩れてリハーサルどおりにならなくなったあたりから、面白くなったなぁ」
「今ですか? 段取りと違うな」といってサングラスを外す前野さん
――この映画への出演で何か変化はありましたか?
前野さん「今回、いろんな技術が合わさって自分の歌を違う角度から見ることができました。音楽をやってきてよかったなと思います。『天気予報』は、自分の父親が亡くなって作ったときの歌ですが、松江監督もお父さんを亡くされて、歌をやっていたからこそ繋がれた。それがうれしかったですね」
松江監督「僕はね、前野さんが撮影前に、“今まで一番大きい(ステージ)です”って言ってくれて、それカッコイイなと思いましたね」
前野さん「普段はハコがありますから。映画では無限大のステージです」
――来年のお正月は何をされていますか?
松江監督「吉祥寺で上映をしてると思います」
前野さん「10年後にまたやろうとしてるんですよね?」
松江監督「もう何でそれ言っちゃうの(笑)?」
前野さん「僕は、たぶん歌を作って、歌い続ける。それを続けていきたいです」