2009.10.19[イベントレポート]
「エジプト映画パノラマ」シンポジウム開催! アジアの風『ハサンとマルコス』+『苦い権利』上映
”より広く!より深く!”を合言葉に、アジアの秀作を幅広く紹介する「アジアの風」。今年は、“より深く!”を掲げる「特集」のひとつとして、在日エジプト・アラブ共和国大使館との共催で、100年の歴史を誇る中東の映画大国=エジプト特集「エジプト映画パノラマ」を展開。巨匠監督、故ユーセフ・シャヒーンの「アレキサンドリア4部作」の連続上映のほか、シャヒーンの次代を担う若手監督たちの作品の上映が、連日豪華ゲストを迎えて行われています。
18日に上映されたのは、オマー・シャリフ主演のコメディ『ハサンとマルコス』。キリスト教、イスラム教それぞれの宗教指導者家族が、危険から身を隠すために異なる宗教の信者として潜伏生活を開始。それぞれのカルチャー・ギャップを象徴的に描いて笑わせつつも、エジプトという国が抱える宗教的対立と、それを解決していこうとする模索が込められた社会派の作品です。離婚女性が抱える問題に切り込んだ同時上映の短編ドキュメンタリー『苦い権利』とともに、現在のエジプトという国の姿を観客に強烈にアピールするものとなっていました。
作品の上映後には、ワリード・アブデルナーセル在日エジプト大使をはじめ、映画監督、女優、メディア関係者ら7名によるシンポジウムを開催。
「アラブ世界において、“映画産業”が成立しているのは100年の歴史を誇るエジプトだけ。エジプトの輸出品目として、政府が全面的にバックアップする重要な位置付け」(ワリード大使)、「政府支援のファンドで製作された作品は100作品に達した。ヴェネツィア映画祭のコンペティションに3作品が出品されるなど、復活してきていると思う」(雑誌アクバール・エルネグーム編集長のアマル・アミン・オスマンさん)と、エジプトでの映画製作状況が説明されたほか、女優のお2人、スーパースターのライラ・アハマッド・エロウイさん、製作者でもあるエルハム・アハマッド・シャヒーンさんからは、ミュージカル、コメディ、悲劇やドラマなど、バラエティ豊かなエジプト映画のジャンルについてや、「陽気で、困っているときでも前向きに取り組むのがエジプトの国民性。映画は相互理解を深めるのにとても適したもの。ぜひ作品を通じてそういったものに触れてほしい」(ライラさん)が語られました。
「ユーセフ・シャヒーン監督の弟子としての誇りを持っている」と語った『正当なる背信』ハーリド・ユーセフ監督は、「アメリカ映画が圧倒的なシェアを誇る状況が、エジプトだけでなく日本も同じで驚いた」と明かし、「(日本とエジプトのような)歴史を持った国同士が力を合わせて、自由の女神をぶっ壊しましょう(笑)」と、ユーモアを交えて、アメリカ映画がリードする映画産業を打開したいという熱い気持ちを語りました。
最後に、「エジプトでのロケなど、日本の映画会社に対しての提案が行っている。ブックフェアを通じて日本とエジプトの書籍における連携が始まったように、映画についてもぜひ協力を実現させていきたい」と意気込みを語ったワリド大使。1時間を越えたにもかかわらず、最後まで参加した観客から大きな拍手が送られ、シンポジウムは幕を閉じました。
出席者の何人かが語ったように、映画は異文化を理解するためのよいチャンス。皆さんも映画祭で色々な国の作品に触れてみてはいかがでしょうか。
アレキサンドリアWHY?→作品詳細
エジプトの物語→作品詳細
アレキサンドリア-今も昔も→作品詳細
アレキサンドリア-ニューヨーク→作品詳細
正当なる背信→作品詳細
『ハサンとマルコス』+『苦い権利』→作品詳細
シンポジウム参加者
- Ambassador Dr. Walid Abdelnasser/ワリード・アブデルナーセル(エジプト特命全権大使)
- Dr. Dorria Aly Sharafeldin, Head of Media Arab Center/ドリア・アリー・シャラフェディ(アラブメディアセンター代表)
- Mrs. Laila Ahmed Eloui/ライラ・アハマッド・エロウイ(女優)
- Mrs. Elham Ahmed Shahin/エルハム・アハマッド・シャヒーン(俳優)
- Mrs. Zeinab Adbelrazzak Salama/ゼイナブ・アブデルラジック・サラマ(脚本作家、ドキュメンタリー映像製作者)
- Mrs. Amal Amin Osman, Editor-in-Chief, Akhbar Elnogoum Magazine/アマル・アミン・オスマン(雑誌アクバール・エルネグーム編集長)
- Mr. Khaled Youssef/カリード・ユーセフ(監督)
2009.10.19[イベントレポート]
【動画レポート】カスピ海の人工都市の真実を描いた『石油プラットフォーム』:10/18(日)Q&A
→作品詳細
2009.10.18[イベントレポート]
アジアの風部門『愛してる、成都』:10/18(日)Q&A
2008年3月に起こった四川大地震の復興支援プロジェクトのひとつとして企画された本作は、四川省の首都・成都を舞台に、1976年と2029年のふたつの時代で展開する物語。フルーツ・チャン監督は、その1976年パートを監督されています。
まず、最初にマイクをとったチェン・ウェイミンさんが「この作品では“地震”を直接描いてはいませんが、それは被害にあった四川省の人々に、つらかった出来事を思い出させるべきではないと思ったからです。それよりも、人と人との心のふれあいを描くことによって、彼らに生きる勇気を与えたいと考えたのです」とコメント。
これを受けたフルーツ・チャン監督は「四川大地震が発生した時、僕はアメリカにいたのですが、その詳細な被害状況は、瞬く間にテレビのニュース番組で報道されました。番組を観ながら、僕は“地震の悲惨さを描くには、ニュース番組にまさるメディアはない”ことを再認識し、もし自分が四川大地震をテーマに作品を撮ることがあれば、それは全く違うアプローチとなることを確信したのです」と、おっしゃっていました。
また、観客の方からの「もうひとりの監督にツイ・ジエンを起用した理由は?」との質問に、チェン・ウェイミンさんは「以前にチアン・ウェン監督と『鬼が来た!』をつくった際に、ツイ・ジエンさんに音楽をお願いするという話があったのですが、残念ながらこれは実現には至りませんでした。このことが長らく心に引っかかっていまして、ツイ・ジエンさんが“映画を撮りたい”とおっしゃっているのを小耳に挟んだ私は、すぐに彼に監督のオファーを出したのです。また、ご存知のようにツイ・ジエンさんは大変に優れたミュージシャンですから、その芸術的センスが監督として開花することにも期待していました」と、満足気に答えられていました。
2009.10.18[イベントレポート]
10/18(日)、TIFFparkにて「木下工務店 presents 木工工房」が開催されました。
グリーンカーペットが敷かれたTIFFparkには、大勢のご家族にお集まりいただきました。
まずは木下工務店西尾武信常務取締役がご挨拶。
その後、舞台上をぎっしりと埋めたのは、総勢70人のキノシタマイスタークラブの大工さん!
コワモテだけど心は優しい(ご本人たち談)マイスターたちが、参加者の作業をお手伝いします。
作業の前に、ステージ上にて左官職人がデモンストレーションを務める、珪藻土(けいそうど)を壁に塗る体験教室が行われました。
体験者からは「コテ(道具)に(珪藻土が)うまくのらない」「うまくできたのかどうか、わからない」と悪戦苦闘。左官職人の鮮やかな腕前に脱帽のご様子でした。
その後、いよいよ、いすなどを作る「木工コーナー」と、手形を取っておはじきでデコレーションする「手形コーナー」とに分かれて、お父さん、お母さん、そして子どもたちが工作に励みました。
自分の手で作ったいすにうれしそうに座ったり、珪藻土につけた手形のまわりにおはじきや文字を書き込む楽しそうな子どもたち、その子どもたちに教えながらも熱中しているお父さん、お母さんの姿が印象的で、子どもも親も夢中になるイベントとなりました。
最後には制作物をお持ち帰りいただき、天候にも恵まれたこの日、参加の皆さまには映画祭のテーマである“エコロジー”をご体験いただきました。
2009.10.18[イベントレポート]
コンペティション部門『ボリビア南方の地区にて』:10/18(日)Q&A
上映後のQ&Aに、フアン・カルロス・ヴァルディヴィア監督、出演のニノン・デル・カスティーヨさん、撮影監督のポール・デ・ルメンさん、美術を担当されたホアキン・サンチェスさん、プロデューサーのガブリエラ・マイレさんが登壇されました。

まずは、フアン・カルロス・ヴァルディヴィア監督からご挨拶。
「ご来場いただきありがとうございます。私たち自身このようなフェスティバルに参加するのは初めてです。地球の裏側にいらっしゃる皆さんにどのように受け止められたのかということに多いに関心を持って楽しみにしています。今日ここに来られたことを非常にうれしく思っています」
※以下のQ&Aには、映画の内容・結末に触れる要素が含まれます。
Q.この映画では、家が主人公のように見えました。あの素晴らしい舞台(家)はどのように見つけられたのでしょうか?
フアン・カルロス・ヴァルディヴィア監督:「その通りです。家そのものが、人物としての役割があるかの様ですね。ホアキン(美術)が、これら全てを整えてくれました。また、この家のディティールには、一つ一つのものが何かを表しています」
ニノン・デル・カスティーヨさん:「私はあの家に住んでいる方を知っていたので、よくあの家でパーティをしていました」

Q.初めてのボリビア映画でしたが、風景や音楽、先住民の服装などにとても魅せられました。私はボリビアの社会についてはそれほど詳しくありませんが、人種や階級での差別はたくさんあるのでしょうか?
フアン・カルロス・ヴァルディヴィア監督:「ボリビアには多様な文化があります。映画の中でもご覧いただいたたように、先住民の言葉も実際に話されています。そしてその社会が今、先住民も力を持つようになってきていて、変化しているのです。しかし、白人か黒人か、ということではなくて、あの一つの家の中で色々な文化が生きている。つまり、沢山の要素が共存しているんです。たとえば、劇中に出てくる家には小さな息子がいましたが、彼は先住民の召使いたちと一緒にいる時間が多く、そこで彼らの文化を学んでいる。あの家は『文化を織りなしている一つの布』のようなものとして、今のボリビアというものを表していると思います」

Q.結末では、聡明な母親が最終的に家を売却してしまうという結果に至りましたが、そのヒントとなることは何だったのでしょうか?
フアン・カルロス・ヴァルディヴィア監督:「家を売る、ということは全てを手放すことに等しい。ライフスタイルは家を中心に回っている。家とは階級のシンボル。しかし、映画に出てくる家庭の内情は、実際は召使いに給与が払えず、パンを買うお金もないという状態で、逆に召使いからお金を借りるなど、身の丈以上の生活をして、お金を費やしていました。そして最後、その売家を買うのは先住民ですが、そこに先住民という新しい階級が台頭し、権力と富を持ってきているという状況も表れています」
Q.では、新しい階級の人々はどうやって裕福になっていくのでしょうか?
フアン・カルロス・ヴァルディヴィア監督:「政治的な変化だと言ってもいいと思います。最近の選挙でも、先住民の方が選ばれて大統領になるということもありました。これまで私たちの国は、ものすごく古いライフスタイルで生活してきたのですが、それがようやく時代に追いついてきたんだと考えています。これまでは、不正義がおこなわれ、貧しい階層と裕福な階層で格差が広がっていましたが、今回の映画では、そういった特権を失う人たちを描いていることになるのではないかと思っています」

2009.10.18[イベントレポート]
コンペティション部門『台北に舞う雪』監督、キャスト勢揃い!:10/18(日)記者会見
本作は、日本人の脚本家の作品を『山の郵便配達』のフォ・ジェンチイ監督が映画化。台湾を舞台に、せつなくも美しく生きる若者たちの描くラブ・ストーリー。
「脚本に感動して、映画で表現したいと思いました。今回台湾でオールロケを行いましたが、同じ中華人ですので、言葉も共通、食べるものも同じ。なんら変わりはありませんでした。キャストとスタッフの息の合った呼吸で、この映画は非常にいいチームワークでスムーズに撮影することができました」と、作品への思いを語るフォ・ジェンチイ監督。

主演のチェン・ボーリンさんは、「今まで僕が一緒に仕事をした監督の中で、一番優しい監督」とフォ・ジェンチイ監督を絶賛! 「撮影が終わるまで、一度も声を荒げることはありませんでした。スタッフが何か間違ったことをしても、“大丈夫、もう1回やろう”と言ってくれる。僕が演じたモオという青年は、たぶん若いときの監督自身なんじゃないかな(笑)」

続いて、トン・ヤオさん。監督からの演出は“演じないこと”だったそうです。「私の演じたメイは、失踪する歌手なので、自分なりに個性的な人物像を作り上げようと考えて、撮影に臨みました。でも監督からは、“もっと自然で、そのままの素のような人物がいい。そのほうがリアリティがあって感動させる力がある”と言われました。なので、演じるというよりも、むしろ私自身に近い部分を引き出して演じました。私はまだデビューして間もないですが、素晴らしい監督とご一緒できました。また監督とお仕事したいと思います」

トニー・ヤンさんが演じたのは、トン・ヤオさん演じるメイが思いを寄せる音楽プロデューサー。「彼は音楽に関しては完璧なんですが、性格は陰鬱で少しダルい感じの男性。普段の僕は明るいタイプなので、実はちょっとつらかったんです。この役のために撮影現場では、なるべくみんなから離れたところにいました。彼らが楽しく話をしていても、僕はそれに染まらないようにしていました。クランクアップしたとき、みんなでお酒を飲んだのですが、そのときやっとずっと我慢していたものが爆発して発散できました(笑)」

失踪したメイの行方を追う芸能記者ジャックを演じたモー・ズーイーさん。
「台湾では僕たちと芸能記者は微妙な関係にあります。記者をやっている僕の友人にどんな気持ちでスキャンダルを追いかけるのか聞いてみました。彼らは、自分の気持ちよりも、ニュースとしての価値があるものを報道したい。でもやはり、矛盾した気持ちがあるということを聞き、役作りにとても参考になりました」

監督は、「僕は父親のような気持ちで彼らを見ていましたが、それでも監督として彼らにやってもらわないといけないことはあった。例えばチェン・ボーリンが劇中、唐辛子を食べる競争をするシーンがあるんですが、本物の唐辛子です。でも、アップで撮ったり引きで撮ったりと、何度も何度も唐辛子を食べてもらわないといけませんでした(笑)」っと、息子のように慕うチェン・ボーリンさんに申し訳なかった様子。

最後に、司会者から日本語でのPRを求められたチェン・ボーリンさんは、「みんな北京語なのに1人だけ恥ずかしいなぁ。『台北に舞う雪』是非観て下さい!」と流暢な日本語を披露してくれました。
2009.10.18[イベントレポート]
豪華スターが続々と登場!グリーンカーペット
六本木けやき坂には、200mにわたってグリーンカーペットが敷かれ、鳩山首相夫妻をはじめ、豪華ゲストが次々に登場!
たくさんのフラッシュがたかれる中、アリーナでまでの道のりを歩き、オープニングを華やかに彩りました!
淡い紫色のドレスに身を包んだグリーン・アンバサダーの杏さん
ジョン・ランドーさん(プロデューサー)、ゾーイ・サルダナさん、サム・ワーシントンさん、シガーニー・ウィーバーさん
『笑う警官』野村祐人さん、松雪泰子さん、伊藤明賢さん
3人ともグリーンカーペットに映える赤のドレス!
2009.10.18[イベントレポート]
【グリーンカーペット・ハイライト】 『オーシャンズ』 ジャック・ペラン監督、ジャック・クルーゾー監督、宮沢りえ、平原綾香

2009.10.18[イベントレポート]
【グリーンカーペット・ハイライト】 『風が強く吹いている』 小出恵介、林遣都、斉藤慶太、斉藤祥太
2009.10.18[イベントレポート]
【グリーンカーペット・ハイライト】 『わたし出すわ』 小雪、黒谷友香
2009.10.18[イベントレポート]
【グリーンカーペット・ハイライト】『ゼロの焦点』中谷美紀、広末涼子、木村多江
2009.10.18[イベントレポート]
【グリーンカーペット・ハイライト】『曲がれ!スプーン』長澤まさみ
2009.10.18[イベントレポート]
【グリーンカーペット・ハイライト】『サイドウェイズ』鈴木京香、菊池凛子
2009.10.18[イベントレポート]
【グリーンカーペット・ハイライト】『大洗にも星はふるなり』山田孝之、戸田恵梨香
2009.10.18[イベントレポート]
【グリーンカーペット・ハイライト】『天使の恋』佐々木 希、谷原章介
2009.10.18[イベントレポート]
【グリーンカーペット・ハイライト】『笑う警官』松雪泰子、野村祐人、伊藤明賢
2009.10.17[イベントレポート]
【グリーンカーペット・ハイライト】『僕の初恋をキミに捧ぐ』井上真央、岡田将生
2009.10.17[イベントレポート]
【グリーンカーペットハイライト】『アバター』サム・ワーシントン&シガーニー・ウィーバー
2009.10.17[イベントレポート]
オープニングセレモニー・フォトレポート




