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2009.10.22
[イベントレポート]
コンペティション『エイト・タイムズ・アップ』:10/21(水)記者会見
映画祭5日目(10月21日)、コンペティション部門の『エイト・タイムズ・アップ』のシャビ・モリア監督が、主演で共同プロデューサーも務めている女優のジュリー・ガイエさんとともに記者会見を行いました。
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「七転び八起き」からつけられたタイトルどおり、職も住まいも失うという度重なる困難に遭いながらも、諦めずに奮闘する女性の姿を描いた本作。軽快なタッチでユーモア満載で展開するストーリーですが、原作となった短編には明るさやコメディ要素など全くなったというから驚き!

※以下の記者会見には、映画の内容・結末に触れる要素が含まれます。


シャビ・モリア監督
「数年前に、この映画のきっかけになった短編映画をジュリーと製作しました。そのフィルムは、本作のラストシーンとして使用しているんですが、そのショートフィルムを2人で見たときに、“とても気分が落ち込むね。実際の僕たちとは全然違う”という話になったんです。そこで、キャラクターなどはそのままに、ただ物語の伝え方を変えてみようと思いました。今回の映画祭のプログラムに、『少年トロツキー』のジェイコブ・ティアニー監督の言葉で、“ケン・ローチのような映画を作ろうと思ったけど、ケン・ローチのような作品は作れない”というようなことが書いてありました。まさに僕もその通りだと思いました(笑)」

長編として生まれ変わった映画の中で、重要な人物となるのは、主人公エルザの隣人マチューの存在。

シャビ・モリア監督
「マチュー役に関しては、当初は全然ハンサムではないけど、どんどん魅力が増していくように描きたかったんです。ジュリーに“どんな俳優さんがいいかな”と話をしていたら、“4日前にドゥニを見かけたんだけど、ヒゲを蓄えてて、とてもハンサムでカッコよかったわ”と言われました。ドゥニは、フランスでコメディの演技に定評のあるですが、この役に合うかどうか僕は半信半疑でした。実際に、裸で泳いでいるシーンは、エルザが彼に惹かれていく場面でしたので、“シリアスに演じてほしい”と頼んだら、ドゥニからは、“そんなふうに言われたのは、生まれて初めて! 演じたことがないからわからない”という答えが戻ってきてしまいました」


ジュリー・ガイエさん
「彼はとても素晴らしい俳優よ。私はとてもセクシーな人だと思っています。まわりには否定する人もいるけど、たとえクシで髪をとかしていなくても、私にとって十分セクシーな男性です」

エルザとマチュー。近づいた2人はこれからどうなるの!?っというところで終わってしまうエンディング。これについて「2人は、お互いにとって運命の相手なのでしょうか?」という質問に、シャビ・モリア監督は、「最後、“あ、これからロマンチックな恋愛が始まるのかな”ということを匂わせて、映画は終わります。本来ならば、そこからハリウッド映画のような物語が始まる。観客の方は、ヤキモキするかもしれません。でも、私の映画はハリウッド映画ではないし、主人公の女性は、ロマンチック・コメディ向けのキャラクターではない。彼女はあまりにも多くの悩みを抱えています」とコメント。

すると、ジュリー・ガイエさんが、「私は、“最後2人をキスさせましょうよ!”っと言ったんだけど、監督には“絶対ダメ”と言われてしまったの」と少し残念そうな可愛らしい表情。監督は、「“時間があったら撮りたいんだけど、残念ながら空の雲行きが怪しくなってきた”と言って断ったんだ(笑)」とジュリーさんの願いを即座に却下した様子を話してくれました。


ジュリーさんはマチュー役のドゥニさんと最後にキスできず。残念!



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