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2009.10.23
[イベントレポート]
答えは見た人の頭の中に。日本映画・ある視点部門『OUR BRIEF ETERNITY』:10/22日(木)Q&A

感染すると大事な人の記憶をなくしてしまうという未知のウイルスに侵された東京を舞台に、記憶をめぐるサイコ・ファンタジーが展開する『OUR BRIEF ETERNITY』。日本映画・ある視点部門で本作の上映後、福島拓哉監督と主演の草野康太さんが登壇し、観客からの質問に答えました。

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(左から)福島拓哉監督と主演の草野康太さん

監督業以外にも、俳優としても活躍されている福島拓哉監督。本作でも、ウイルスの第1発見者“キツネ”という役で出演されています。「登場人物の名前で、キツネというネーミングは意図されたものなのでしょうか?」という質問には、
「ネーミングには意味があります。日本でも海外でもそうだと思いますが、童話に出てくるキツネって、大体キャラが似ていますよね。狡猾でずる賢く、孤独。そんなふうに既に皆さんの中にあるベーシカルなイメージを今回起用しました」と、自らが演じた役柄について語りました。

一方、高等遊民という遊び人の主人公テルに扮した草野さん。その役作りについては、
「僕はテルであろうとしただけで、演じるという意識はありませんでした。撮影スケジュールも過密だったことから、ずっとテルの服装でいられたし、テルは僕や監督だけが作り出したわけではなく、この作品のクルーみんなが作ってくれたもの。リアルに感じてもらえたらうれしいですね」とコメント。


客席から「普段の福島監督は、現場ではどんな方ですか?」と質問されると、すぐに草野さんは「そのまんまです(笑)」と一言。「監督でもあり、共演者でもあったので、監督と僕との関係、キツネさんとテルの関係がリンクしていったんです。映画の中のキツネさんとテルのやり取りの中にも出てきますが、“本当はどんなふうに思ってるんだろう”と、お互いに腹を探り合うような関係だったと思います」と2人の微妙な関係を話してくれました。

その後、「キツネは記憶を失くしたんでしょうか?」、「ミオの元彼は感染しましたか?」という、物語の見えない部分の謎についての質問が続き、監督は、「劇中でテルがしている質問と同じですね。なので今僕は、そのときのキツネさんと同じ表情をしたんですけど(笑)、内緒です。もちろん説明してもいいんですけど、そこは内緒にしていたほうが、映画を面白く持って帰ってもらえると思います。映画というのは、見ていただいた皆さんのものなので、どんなふうに解釈いただいてもそれが正解です」と。ただ、「有田さんは、ウイルスに感染したのでしょうか?」という質問では、「彼は酔っ払って足を滑らせて倒れただけです。有田さんはウイルスに感染していません」とキッパリ!
「これは答えを言ってもいい理由があります。劇中でウイルスに感染するときには、“ブウォーン”という効果音を入れています。その段階で気づく人もいるかなと思いつつ(笑)」

最後に、福島監督は、「この映画祭から始まって、世界中のいろいろなところに行きたいと思っています。皆さん最初の観客になっていただきありがとうございました」とご挨拶され、草野さんとともに劇場を去りました。



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