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2009.10.24
[イベントレポート]
テリー伊藤さんも死刑囚役で出演 日本映画・ある視点『真幸くあらば』:10/23(金)

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日本映画の新作上映で、こちらも注目を集めている「日本映画・ある視点」。今回は、荒削りでも輝きを秘めたインディペンデント映画が中心にセレクションされ、23日には、森山直太朗さんの楽曲の作詞を手掛ける御徒町 凧さんが初めてメガホンをとった『真幸くあらば』が上映されました。
御徒町監督以下、主演の尾野真千子さんと久保田将至さん、そして奥山和由プロデューサーはこの日、記者会見を皮切りに、上映前の舞台挨拶~上映後のQ&Aと、ノンストップでフル稼働。「40年近く映画製作をしていて初めて、クランクインしてからも製作費が足りていなかった」「(1月の)公開に向けて大きく広告が出ていくことはありません。皆さんの口コミが頼り」と奥山プロデューサーが語るほどの難産の末に完成した、同作のアピールに奔走しました。

舞台挨拶から合流したミッキー・カーティスさんに
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「歪んでるよ、この映画(笑)」と称された同作は、遊ぶ金欲しさに強盗殺人を犯した若き死刑囚・淳と被害者の婚約者だった美女・薫が惹かれ合い、やがて美しくもフェティッシュな形で想いを遂げる姿を通して、“生きる”ことの価値を描き出す作品。

薫を演じた尾野さんは、「(死刑囚と面会者)髪の毛一本でさえ触れることができない、手を取って愛し合えないという状況の中で表現することに一番力が入りました。(クライマックスの淳と薫が結ばれる)満月のシーンも、気持ちが高まった最後じゃなければ撮れなかったと思います」と撮影を振り返り、
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淳役の久保田さんは「僕は今回が初めての主演。これがダメなら引退するつもりで、全身全霊でやりました」と、作品に懸けた覚悟を明かしました。
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北野武監督作や今村昌平監督作『うなぎ』など、数々の話題作で手腕を振るってきた奥山プロデューサーは、そんな尾野さんを「彼女の演技のすごさを目の当たりにできたのは幸せでした。生の感情をそのまま引き出せるというか、今どき珍しい女優魂を持った女優」と大絶賛。御徒町監督も「触れ合うことがないラブシーンが、撮影の一番の難所。女性の身体の美しさも視点ひとつでいやらしいものになってしまう……ひとつの賭けじゃないですか。でも尾野さんが薫自身になってくれたので、あとはもう彼女に失礼のないようにと意識して撮影しました」と尾野さんの実力に太鼓判を押しました。

記者会見では、人気漫画家・江川達也さんをゲストに迎え、同作の“エピソード0”となるデジタル・コミックが執筆されていることが発表されたほか、Q&Aでは、死刑囚役として出演しているテリー伊藤さんも登場。
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「撮影中の待ち時間に、独居房に1時間ほど独りでいるわけですよ。いつ死刑が執行されるのかわからない中で、独りで何ができるのか……考えましたね」と撮影時を振り返りました。


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左から、奥山和由プロデューサー、尾野真千子さん、江川達也さん、久保田将至さん、御徒町凧監督


生と死、そしてセックスという人間の根源を描いた作品だけに、観客からは次々と熱の入った質問が。その一つ一つに真摯に答えていく、スタッフ&キャストの皆さんの姿が非常に印象的でした。

2010年1月9日(土)より、新宿バルト9ほか全国順次ロードショーです。

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