2009.10.25
[イベントレポート]
受賞直後の喜びの声! 記者会見
クロージング・セレモニーで各賞が発表された直後、記者会見が開かれ、受賞者たちがそれぞれの気持ちを語りました。
まずは、「アジアの風」部門で最優秀アジア映画賞を受賞した『旅人』ウニー・ルコント監督(43歳)、日本映画・ある視点部門で作品賞を受賞した『ライブテープ』松江哲明監督(32歳)が登場。
――まず受賞した今のお気持ちを。
ウニー・ルコント監督
「とても幸せに思っています。長いストレスが終わったようなような気持ち。何が起こったか分からないような状態です」
松江哲明監督
「受賞した瞬間は、正直ポカーンという気持ちでした。この会見の前にスタッフに電話で“受賞したよ”と報告できて、ホッとしたというのが正直な気持ちです」
――ルコント監督は、ソウルで生まれ、9才からフランスに住んでいらっしゃいます、ご自身の実体験はどんなふうに作品に影響されましたか?
ウニー・ルコント監督
「影響はあると思います。私がフランス語なのは、母国語である韓国語はもう話せなくなってしまったからです。母国語を失ってしまったんです。ですが、養子としてむかえられたフランスの言葉も、完全には話せません。映画が私の言語、映画を通して私の言葉を伝えたいと思いました」
――松江監督は、先程授賞式で「ある憤りがこの映画のきっかけになった」と言っていましたが、それは具体的にどんなことですか?
松江哲明監督
「この映画のエンドクレジットに“父と祖母と友人に”というメッセージを入れました。昨年5月に祖母が、10月に父が、そして映画学校で一緒だった林田賢太君も亡くなってしまいました。去年の暮れ、そういうフラストレーションがたまっていました。それを形にするために、1日1日という日にちが必要でした。映画を撮影した吉祥寺という町は、父が映画を教えてくれた町です。そこで仲間たちと映画を撮るという、これからの覚悟を形にしたかったんです。
今までの10年間は、自分のセルフ・ドキュメントのネガティブな感情で作品が出来上がりましたが、この作品は1月1日に集まってくれたみんなのおかげでポジティブな作品になったと思います」
――ルコント監督に伺います。これから映画界での女性監督はどういったポジションになっていけばいいと思いますか?
ウニー・ルコント監督
「私はカンヌやトロントの映画祭に参加し、そこでもさまざまな女性監督と話をしましたが、男性監督でも女性のような目線で描いた作品を作る方もいますし、男性監督や女性監督というような区別がなくなればいいなと思います」
次に、審査員特別賞を受賞した『激情』セバスチャン・コルデロ監督(37歳)と、女優のマルチナ・ガルシアさん(27歳)、最優秀女優賞を受賞した『エイト・タイムズ・アップ』のジュリー・ガイエさん(37歳)、観客賞を受賞した『少年トロツキー』のジェイコブ・ティアニー監督(30歳)、ケヴィン・ティアニーさん(59歳)が登場。
――今のお気持ちはいかがですか?
セバスチャン・コルデロ監督
「とてもいい気分です。受賞できて、とても感謝していますし、誇りに思っています。今回、東京に10日間滞在し、とても楽しく過ごすことができましたが、これ以上の終わりはありません。ハッピー・エンディングです」
マルチナ・ガルシアさん
「私も大変うれしく誇りに思っています。今年度の審査委員の方たちは、みなさん才能にあふれた方たちばかり。そんな皆さんに選んでいただき、感謝しています。また、この映画祭の“エコロジー”というテーマは素晴らしいと思います」
ジュリー・ガイエさん「忘れもしません。この映画祭のコンペティションに選ばれたという電話があり、みんなで大喜びした日のことを、昨日のように覚えています。他の映画祭では、みな1日や2日で帰ってしまう人も多いですが、東京はフランスから遠く離れているため、みんなずっとこちらに滞在して、楽しく話をしたり、食事をしたり、ダンスをしたりできました。この映画祭から、いろいろな方との出会える機会をいただきました。感謝しています」
ジェイコブ・ティアニー監督
「東京で素晴らしいフィルムメイカーやキャストに出会えました。今回この映画祭に参加できたグループは、みな素晴らしい人々が集まっていると思います。観客賞を受賞しましたが、温かい日本の観客の方たちに感謝したいと思います」
ケヴィン・ティアニーさん
「気分としては今日よりも、(観客賞を受賞した)昨日のほうが良かった(笑)。受賞できて本当に嬉しく思っています。東京の観客の方々に感謝します」
――『激情』でのその愛の描き方には、ご自身の実体験が含まれているのでしょうか?
セバスチャン・コルデロ監督
「実は、この映画の撮影中、私は恋をしていました。その恋が、今回の映画のセリフやシーンにも影響は与えたと思います。彼女のおかげで、ラブストーリーをより深く理解できたと思います。その彼女は、今回一緒に来日してくれました。私だけでなく、どの映画監督も、自分の個人的な経験は製作する作品に反映するのではないかと思います」
――ジュリー・ガイエさんに質問です。今回の撮影中、苦労したエピソードはありますか?
ジュリー・ガイエさん
「女優が映画の中で輝けるのは、監督のおかげだと思います。今回パートナーとして映画作りに参加できました。この映画は、監督と2人で作った短編が長編になった作品です。撮影中やなことも難しかったこともほとんどありませんでしたが、唯一、木の上に登って、6mの高さから飛び降りなければならなかったときは、監督から“アクション!”と声がかかっても、4、5回は飛び降りられませんでした。結局、そのシーンはカットされてしまいましたが、全体を通して素晴らしい映画作りになりました」
――ジェイコブ・ティアニーさんに質問です。この作品は、実話でしょうか? また日本でも政権交代があったばかりですが、そういったことも今回の受賞に影響があったと思いますか?
ジェイコブ・ティアニー監督
「実話ではありません(笑)。僕は日本のことはあまりわかりませんが、あなたがそう言うならそうかもしれませんね」
――それぞれ選ばれた理由は、どんなことだと思いますか?
マルチナ・ガルシアさん
「とてもラッキーだったからだと思います。審査委員の方が、物語に共感をもっていただき、何らかのつながりを感じてくれて、この映画がいろんな国で配給されてばばおいいなと思ってくれたのかなと思います」
ジュリー・ガイエさん
「私は審査員の方々の頭の中に入れませんので、そこでどんなことが渦巻いたかは分かりませんが、この映画は、私の演じるエルサという女性を中心に進んで行く物語ですので、この賞は私や監督だけでなく、作品全体にいただいた賞だと思います」
ケヴィン・ティアニーさん
「正直検討もつきません。ただセオリーはあると思います。今回、この映画がコンペティション作品として選ばれたとき、私がどうしても行きたいと思った理由は、この作品が北米以外で理解してもらえるとしたら、日本じゃないかと思ったからです。日本の学生たちは、学校にいる間は制服を着て、放課後はとんでもない私服に着替える子がいるから、この映画に登場する若者の反抗心に共感してもらえると思いました」
――ジェイコブ監督はどんな息子さんでしたか?
ケヴィン・ティアニーさん
「彼は一途で、ハマッてしまうとずっとそれに夢中になってしまう。テレビや映画で、7歳のときからずっと俳優をやってきた。一時は私もちょっと危ないなと思ってしまうくらいでした。17、18歳のときにロスに移ってからは、親子関係が改善できた気がします。ホッとしました」
――ジュリー・ガイエさんはフランスから、この映画祭に参加して何か感じたことはありますか?
ジュリー・ガイエさん
「次回作は日本で撮影したいです。『エイト・タイムズ・アップ』の東京版を撮影できたら、、素晴らしいでしょうね!」
まずは、「アジアの風」部門で最優秀アジア映画賞を受賞した『旅人』ウニー・ルコント監督(43歳)、日本映画・ある視点部門で作品賞を受賞した『ライブテープ』松江哲明監督(32歳)が登場。
ソウル生まれのウニー・ルコント監督と在日3世の松江哲明監督
――まず受賞した今のお気持ちを。
ウニー・ルコント監督
「とても幸せに思っています。長いストレスが終わったようなような気持ち。何が起こったか分からないような状態です」
松江哲明監督
「受賞した瞬間は、正直ポカーンという気持ちでした。この会見の前にスタッフに電話で“受賞したよ”と報告できて、ホッとしたというのが正直な気持ちです」
――ルコント監督は、ソウルで生まれ、9才からフランスに住んでいらっしゃいます、ご自身の実体験はどんなふうに作品に影響されましたか?
ウニー・ルコント監督
「影響はあると思います。私がフランス語なのは、母国語である韓国語はもう話せなくなってしまったからです。母国語を失ってしまったんです。ですが、養子としてむかえられたフランスの言葉も、完全には話せません。映画が私の言語、映画を通して私の言葉を伝えたいと思いました」
――松江監督は、先程授賞式で「ある憤りがこの映画のきっかけになった」と言っていましたが、それは具体的にどんなことですか?
松江哲明監督
「この映画のエンドクレジットに“父と祖母と友人に”というメッセージを入れました。昨年5月に祖母が、10月に父が、そして映画学校で一緒だった林田賢太君も亡くなってしまいました。去年の暮れ、そういうフラストレーションがたまっていました。それを形にするために、1日1日という日にちが必要でした。映画を撮影した吉祥寺という町は、父が映画を教えてくれた町です。そこで仲間たちと映画を撮るという、これからの覚悟を形にしたかったんです。
今までの10年間は、自分のセルフ・ドキュメントのネガティブな感情で作品が出来上がりましたが、この作品は1月1日に集まってくれたみんなのおかげでポジティブな作品になったと思います」
――ルコント監督に伺います。これから映画界での女性監督はどういったポジションになっていけばいいと思いますか?
ウニー・ルコント監督
「私はカンヌやトロントの映画祭に参加し、そこでもさまざまな女性監督と話をしましたが、男性監督でも女性のような目線で描いた作品を作る方もいますし、男性監督や女性監督というような区別がなくなればいいなと思います」
次に、審査員特別賞を受賞した『激情』セバスチャン・コルデロ監督(37歳)と、女優のマルチナ・ガルシアさん(27歳)、最優秀女優賞を受賞した『エイト・タイムズ・アップ』のジュリー・ガイエさん(37歳)、観客賞を受賞した『少年トロツキー』のジェイコブ・ティアニー監督(30歳)、ケヴィン・ティアニーさん(59歳)が登場。
――今のお気持ちはいかがですか?
セバスチャン・コルデロ監督
「とてもいい気分です。受賞できて、とても感謝していますし、誇りに思っています。今回、東京に10日間滞在し、とても楽しく過ごすことができましたが、これ以上の終わりはありません。ハッピー・エンディングです」
マルチナ・ガルシアさん
「私も大変うれしく誇りに思っています。今年度の審査委員の方たちは、みなさん才能にあふれた方たちばかり。そんな皆さんに選んでいただき、感謝しています。また、この映画祭の“エコロジー”というテーマは素晴らしいと思います」
『激情』のセバスチャン・コルデロ監督とマルチナ・ガルシアさん。
ジュリー・ガイエさん「忘れもしません。この映画祭のコンペティションに選ばれたという電話があり、みんなで大喜びした日のことを、昨日のように覚えています。他の映画祭では、みな1日や2日で帰ってしまう人も多いですが、東京はフランスから遠く離れているため、みんなずっとこちらに滞在して、楽しく話をしたり、食事をしたり、ダンスをしたりできました。この映画祭から、いろいろな方との出会える機会をいただきました。感謝しています」
最優秀女優賞のジュリー・ガイエさん『エイト・タイムズ・アップ』
ジェイコブ・ティアニー監督
「東京で素晴らしいフィルムメイカーやキャストに出会えました。今回この映画祭に参加できたグループは、みな素晴らしい人々が集まっていると思います。観客賞を受賞しましたが、温かい日本の観客の方たちに感謝したいと思います」
ケヴィン・ティアニーさん
「気分としては今日よりも、(観客賞を受賞した)昨日のほうが良かった(笑)。受賞できて本当に嬉しく思っています。東京の観客の方々に感謝します」
――『激情』でのその愛の描き方には、ご自身の実体験が含まれているのでしょうか?
セバスチャン・コルデロ監督
「実は、この映画の撮影中、私は恋をしていました。その恋が、今回の映画のセリフやシーンにも影響は与えたと思います。彼女のおかげで、ラブストーリーをより深く理解できたと思います。その彼女は、今回一緒に来日してくれました。私だけでなく、どの映画監督も、自分の個人的な経験は製作する作品に反映するのではないかと思います」
――ジュリー・ガイエさんに質問です。今回の撮影中、苦労したエピソードはありますか?
ジュリー・ガイエさん
「女優が映画の中で輝けるのは、監督のおかげだと思います。今回パートナーとして映画作りに参加できました。この映画は、監督と2人で作った短編が長編になった作品です。撮影中やなことも難しかったこともほとんどありませんでしたが、唯一、木の上に登って、6mの高さから飛び降りなければならなかったときは、監督から“アクション!”と声がかかっても、4、5回は飛び降りられませんでした。結局、そのシーンはカットされてしまいましたが、全体を通して素晴らしい映画作りになりました」
――ジェイコブ・ティアニーさんに質問です。この作品は、実話でしょうか? また日本でも政権交代があったばかりですが、そういったことも今回の受賞に影響があったと思いますか?
ジェイコブ・ティアニー監督
「実話ではありません(笑)。僕は日本のことはあまりわかりませんが、あなたがそう言うならそうかもしれませんね」
観客賞盾を抱えて記者会見場に入る『少年トロツキー』のジェイコブ・ティアニー監督と父親のケヴィン・ティアニープロデューサー
――それぞれ選ばれた理由は、どんなことだと思いますか?
マルチナ・ガルシアさん
「とてもラッキーだったからだと思います。審査委員の方が、物語に共感をもっていただき、何らかのつながりを感じてくれて、この映画がいろんな国で配給されてばばおいいなと思ってくれたのかなと思います」
ジュリー・ガイエさん
「私は審査員の方々の頭の中に入れませんので、そこでどんなことが渦巻いたかは分かりませんが、この映画は、私の演じるエルサという女性を中心に進んで行く物語ですので、この賞は私や監督だけでなく、作品全体にいただいた賞だと思います」
ケヴィン・ティアニーさん
「正直検討もつきません。ただセオリーはあると思います。今回、この映画がコンペティション作品として選ばれたとき、私がどうしても行きたいと思った理由は、この作品が北米以外で理解してもらえるとしたら、日本じゃないかと思ったからです。日本の学生たちは、学校にいる間は制服を着て、放課後はとんでもない私服に着替える子がいるから、この映画に登場する若者の反抗心に共感してもらえると思いました」
――ジェイコブ監督はどんな息子さんでしたか?
ケヴィン・ティアニーさん
「彼は一途で、ハマッてしまうとずっとそれに夢中になってしまう。テレビや映画で、7歳のときからずっと俳優をやってきた。一時は私もちょっと危ないなと思ってしまうくらいでした。17、18歳のときにロスに移ってからは、親子関係が改善できた気がします。ホッとしました」
――ジュリー・ガイエさんはフランスから、この映画祭に参加して何か感じたことはありますか?
ジュリー・ガイエさん
「次回作は日本で撮影したいです。『エイト・タイムズ・アップ』の東京版を撮影できたら、、素晴らしいでしょうね!」