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2009.10.24
[イベントレポート]
アジアの風『RAIN DOGS』:10/23(金)Q&A

アジアの風部門、追悼ヤスミン・アフマド特集として上映された『RAIN DOGS』。2006年ヴェネチア国際映画祭出品された本作品には、ヤスミン監督が重要な役で出演しています。Q&Aでは、ホー・ユーハン監督が登壇し、ヤスミンとの思い出や作品の製作秘話を振り返りました。

まず、ヤスミン監督を出演者として演出された際のエピソードについては、
「撮影では、僕が“とても良い出来だ!”と思っても、彼女は“あ~、気に入らないわ。私全然きれいじゃないわ”と言われたりしました(笑)。ヤスミンさんはもともと僕の友人なので、撮影は非常にやりやすかったです。彼女からは、“今回はあなたが監督なんだから任せます”と言われましたが、役柄に関してはいろいろ相談しました。彼女の演じた女性が、どこ系の人かという人種的なことはあえてハッキリさせませんでした。それは映画を見た方がいろいろ判断してくださればいいこと。ヤスミンさんもとても気に入っていました」と、当時のヤスミンさんとの現場でのやり取りを語りました。


「『RAIN DOGS』というタイトルですが、太陽雨というサブタイトルもついています。マレーシアで特別な解釈があるのですか?」と問われると、
「熱帯というのは、とても太陽が強くて暑いですよね。だけど、急に雨が降ると空気が重くなって、フーッと体が冷えてしまって、それで風邪をひいてしまうこともある。その雰囲気が好きなんです。この映画のタイトルについては、そういう意味合いがあります」とコメント。

同じアジアの風部門で上映されたホー・ユーハン監督作品『心の魔』をご覧になった観客の方から、「ホー監督は、犯罪モノがお好きなんですか?」という質問が。するとホー監督は、「犯罪ジャンルはすごく好きですし、『心の魔』には暴力的な描写が出てきますけど、僕自身は全く暴力的な人間ではありません。犯罪モノに惹かれるというよりは、犯罪によって、身体的や精神的に受けるダメージに興味を持っているんです」と話してくれました。

今後、日本との合作映画の企画について話が及ぶと、「パリにいる日本人のプロデューサーと、“日本を舞台にやってみようか”という話にはなっています。ある女性が犯罪に巻き込まれる、というシンプルなフィルムノワールを撮ってみたいなと思っています。撮影場所としては、東京は皆さん見飽きているかもしれませんので、広島や横浜、どこか深作欣二監督が撮ったような場所もいいですね。京都は高いかなぁ(笑)?」と、具体的なロケ地を探している様子。ホー監督の日本を舞台にした新作に期待が高まります。
笑顔が印象的なホー・ユーハン監督




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