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2009.10.23
[イベントレポート]
ツァイ・ミンリャン監督を俳優に育成! アジアの風部門『台北24時』:10/22(木)Q&A

台湾の8人の若手監督が、8つに分けられた1日をリレー形式で描いたオムニバス映画『台北24時』。リレーのアンカーを務める午前4時のエピソードを担当した、リー・カーション監督が作品上映後にQ&Aを行いました。

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『迷子』で監督デビューを飾っているリー監督ですが、もともとはツァイ・ミンリャン(蔡明亮)監督作品の俳優と知られ、その端正な顔立ちと柔らかな表情がとても魅力的です。そのせいか観客席はほとんど女性でした!

今回、若手8人という実験的な試みに挑んだ本作。でき上がった作品については、「それぞれのエピソードが、台湾のいろいろな表情を切り取っていて大変個性的でした。若い監督たちの創作作品が、ツァイ・ミンリャン監督やホウ・シャオシェン(侯孝賢)監督とはまた違った作風になってきていることがご覧いただけると思います」とコメント。

リー監督がメガホンを取ったエピソードの注目すべき点は、何と言っても俳優・ツァイ・ミンリャンの演技。
「ツァイ監督は、長いこと監督として活躍されていますが、俳優としての仕事は相当イヤだったようで、私を恐れて逃げ回っていました(笑)。私は説得に説得を重ね、 ツァイ監督は“ロー・マンフェイさんのためなら”と出演を承諾してくれました。撮影では、ツァイ監督が泣くシーンが一番大変でした。彼が泣くまで2、3時間はかかりましたね。でも、満足がいかないときは、“もう1回やってくれ”と言っていました。私はいい俳優を育成できたと思っています(笑)」

俳優として名演技を披露!ツァイ・ミンリャン監督

ロー・マンフェイさんというのは、ツァイ・ミンリャン監督作品であり、リー監督も俳優として出演していたミュージカル映画『Hole』で、振付けを担当されていたダンサー。
「『Hole』をきっかけに私たちは良き友人になったんですが、残念ならが、ローさんはがんに侵されて亡くなりました。生前、彼女は自分のドキュメンタリーを撮りたいと言っていましたが、その願いは叶えられませんでした。今回、私はこの映画で、彼女の“レクイエム”という、1つの場所で10分間回り続ける作品を取り上げました。エンドロールでクルクル回って踊っていたのは、ローさんご本人です」

また、この映画をきっかけにツァイ監督とリー監督、そして作品に出演している女優ルー・イーチンさんと3人で喫茶店を台北にオープンしたとのこと。
「ツァイ監督が、昔脚本を書かれるときによく使っていたお店なんですが、当時そのお店を経営されていたのは、映画の中でお店のママとして登場する女性なんです。彼女が、コーヒー店を閉めるということを聞いたツァイ監督は、そこのコーヒーの味が大好きだったということで、お店を3人で買い取り、新しくオープンしたんです」

すかさず司会の石坂健治プログラミング・ディレクターが「リー監督は、日頃そのお店には立たれているんですか?」と質問。すると、監督からは、あっけなく「ハイ」と即答!
「もともと私もコーヒーは好きでしたが、お店をオープンしたことで、だいぶコーヒーに詳しくなりました。映画の中でもそうでしたが、コーヒーの淹れ方は日本の淹れ方です。来日中も、日本のコーヒー店に入って、その様子を注意深くルッキングしているんですよ」

リー監督のファンが殺到しそうなそのお店。お店の名前は、それぞれの名前から1文字づつとって、「蔡李陸珈琲店」というお店だそうです。(詳しくはリー・カンション監督のブログなどで検索してみてください)


「コーヒー店の機材はほとんどが日本製です」とリー監督





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