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2009.10.21
[イベントレポート]
牛は選ばれた俳優!natural TIFF部門『牛は語らない/ボーダー』:10/20(火)Q&A
ソ連の崩壊後に起こったアルメニアとアゼルバイジャンとの紛争が終結を舞台に、ある村に生きる人々の姿を、牛の目線で描いた実験的な映画、natural TIFF部門『牛は語らない/ボーダー』

上映後、ハルチュン・ハチャトゥリャン監督は、「楽しむためのショーのような作品でありません、我慢して見てくださってありがとうございました」と、なんとも低姿勢なご挨拶で映画を紹介。

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「アルメニアとアゼルバイジャンでは現在も紛争が続いています。この映画に出ているのは、アゼルバイジャンからアルメニアに逃げてきた人々。彼らはアルメニアの国境近くにある難民の収容所で、故郷に帰りたいという思いの中で暮らしている。この映画は、世界中にある国境というものに反対を称える映画です」と作品に込めた深い思いを語ったハチャトゥリャン監督。

観客から「主人公の牛に、人間のような表情の豊かさを感じました。キャスティングはあったのでしょうか?」という質問が飛び出すと、
「もちろんカメラテストを含め、非常に長い時間をかけて選びました。その中で、もっとも印象的で何かを訴えかけるような目をした牛を選びましたが、見た目は一番みすぼらしい外見をしていました。大体才能がある人は、みすぼらしい姿をしていることが多いですから(笑)」と、キャストとして選び抜かれた牛を絶賛!

客席には、同じnaturalTIFF部門の『国境のない鳥』の製作者セレナ・ツァオさんの姿も! 「“国境に反対する”という意味では、私たちの『国境のない鳥』にも共通している部分があると思います。ラストシーンの子牛が印象的でしたが、あのシーンにはどんな意味があったのでしょうか?」と質問されました。
「あの子牛は、国境の上で生まれた牛。親の牛は国境を越えて逃げていきますが、子牛にとっては、どちらも自分の国ではなく立ちすくんでしまうんです。国境というものがあることで、どちらにも逃げることができないというシンボルとして描きました」

アルメニアと台湾という、国境を越えた製作者同志のコミュニケーションを、目の当たりにできる貴重な機会となりました。




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